命短し恋せよ乙女
これは大竹しのぶさんのお母さんの好きだった歌だそうです。NHKのファミリーヒストリーで見たのですが、お母さんはエステルさんといって、キリスト者の家に生まれて、洗礼名のような名前だったようです。
キリスト教を広めるお祖父さんの家に、救いを求めるように来ていたお父さんと大恋愛をして結婚したそうですが、実はお父さんには別居中の妻子がいたようでした。まさに、命短し恋せよ乙女だったわけです。
でもです。今は百歳を見据えて生き方を考えなければなりません。
どうやって生きていけばいいのか。
できれば、女性でも職業を持って、独立して生きていけるようにした方がいいと思います。私たちのころは、女性は結婚して子供を産み、家庭を守るのが目標のように教えられてきましたが、時代とともに価値観はすっかり変わってきてしまいました。
子供はかわいいですが、収入が不安定では育てられません。子供がいれば、老後も楽しいことは確かですが、子供を老後の保険のように考える時代ではなくなってきているように思います。
少子化だと言われていますが、育てるのも大変ですし、親も子も生きていくのも大変です。そして、老いや死は誰の上にもやってきます。歳をとった今日この頃は、人間は生まれたときから死に向かって走っているのだという、見たくない現実を身近に感じてしまいます。
生きていくのも大変だと感じているときに、ロシアがウクライナに侵攻して、支配しようとしているだの、中国が台湾に侵攻しようとしているだのを聞くと、私もリトアニアの人々のように人間の鎖を作って、無暴力主義で戦って、死んでもいいかなとか思ってしまいます。中国のロックダウンのように町中消毒をされたら、アレルギー体質の我が家族はそれだけで死の苦しみを味わうことになってしまいます。本当に強権下で生きていくのは大変なことです。
こういうことを若いころから予測できたら、人は子供を、その愛のために産まないだろうと思います。
命短し恋せよ乙女というのは、そういう現実を考えるな、と幻惑している歌のように聞こえてしまうのですが、それは年寄りのひがみでしょうか。