近頃のユーチューブ 岡林信康、山谷ブルース
『今日の仕事はつらかった、あとは焼酎あおるだけ
どうせどうせ山谷のドヤ住まい、他にやる事ありゃしねえ
ひとり酒場で飲む酒に帰らぬ昔がなつかしい
泣いて、泣いてみたって何になる、今じゃ山谷がふるさとよ
工事終わればそれっきり、お払い箱の俺たちさ
いいさ、いいさ山谷の立ちんぼう、世間恨んで何になる
ーーーーーーーーーーーーーー』
この後も続きますが、私が昔聞いたことのあるのはこのあたりまでです。
この方、学生運動華やかなりしころの『フォークの神様』と言われた方です。でも、田舎出の学生だった私は、直接聞いたことはありません。周りの人が歌っているのを聞いただけです。
これを聞いたとき、私は、小さいころ、農家だった家に奉公に来ていたお兄さんを思い出すのです。年季があけるとそのお兄さんは東京に働きに行ったようです。一度だけでしたが、帰ってきて挨拶に来ました。とび職をしている、東京は稼げると言って、親孝行をするつもりのようでした。でも、母は「あの子はよかろう様だから、お金なんかすぐに無くなってしまうだろう」と言っていました。
なんとなく悲しい歌でした。
この度、ユーチューブで初めて見た岡林信康さんは初老のスタイルのいい、ハンサムで、話術のうまいシンガーソングライターでした。歌も声もやわらかで悲壮感を感じさせないくらい、十分に楽しく場を盛り上げていました。
『ひとは山谷を悪く言う、だけど俺たちいなくなりゃ
ビルも、ビルも道路もできゃしねえ、だれも分かっちゃくれねえが』
今回最後まで聞いてみて、働く私たちはみんな同じだよと思いました。たくさんのコメントの中に研究者だという方のがありまして、『自分も同じように働いています』と書いてありました。