2021年12月17日金曜日

 年寄りのダイエット

 一年位前、足が痛くなって、運動ができなくなったこともあって、体重が増えました。これはいけないと思って、何か私にできるダイエットはないかとファスティング、つまり16時間断食というのを始めました。2、3か月は体重も増えなくなり、これは正解かなと思ったのですが、なんとなく頭の働きが悪くなっていくような気がしてしばらくして止めました。

 それから自由に食べ始めて、また体重が増えて、といつものパターンになったのですが、足も治ってきて、少し運動もできるようになり、今度は運動するために体重を軽くしなくてはと、回らない頭で考えました。

 で、また行きあったのが、腸内フローラを増やすというあのダイエットです。私はイタリア人みたいに、昼頃にお腹がすいてたくさん食べます。その時、いわゆる、『ドカ食いはしない』という昔のダイエットの言葉が思い出されました。好きなものはそればっかりいくらでも食べられてしまうのですが、これを『いろんなものを食べる』に変えたのです。同じものはなるべく食べないようにして明日に残し、違うものに手を出すようにして、多分一日30品目は食べています。

 この昼食にたくさん食べるという習慣は、結構役に立っているような気がします。つまり、夕食に食べる量が減りますし、娘が5時に作ってくれる今どきの夕食を食べて、そのあと食べないようにすると、翌朝6時過ぎに食べるまで、およそ13時間くらいの断食ができるわけです。

 昼に一気に食べ過ぎたり、だらだらと食べ過ぎたり、時々便秘をしたりで、口角炎になったりしますが、体重は抑えられているようです。やっぱり年寄りはそれなりに燃料を補給してやらないと頭も体も動かなくなるような気がします。

2021年12月10日金曜日

 本、『野望』船山馨 1976年、三笠書房発行

 これは図書館の除籍本でした。この船山馨という名前に聞き覚えがあって、『昔テレビドラマでやっていた北海道開拓の話ではないかしら』と思って、いただいて来てしまったのです。それから40年でしょうか、結局読まないで積んでありました。

 読み始めると、どうも北海道ではなくって東京のようです。でも、この作者は私の大好きだった山本周五郎のようなストーリィテラーで、難なく物語に入っていけましたから、きっと面白く読めるだろうという予感はありました。

 それでも、やっぱり気になるので、ウキペディアで調べてしまいました。

 1914年『北海道札幌市生まれ。実父の小林甚三郎は余市町の出身で、馨の出生当時は東北帝国大学農科大学(現・北海道大学農学部)の学生であった(後に北海道拓殖銀行などに勤務)。母方の実家の意向で母方の船山姓を名乗り、実父とも生後間もなく離別した。なお、馨によると甚三郎はクリスチャンで、トルストイなどの文学愛好者でもあったという。養父は新聞記者・森笛川。』

 やっぱり北海道の人だったようです。

 若くして名が売れたのに、ヒロポン中毒で名を汚し、『1967年に地方紙(北海タイムス)に発表した歴史ロマン『石狩平野』がベストセラーとなり、小説新潮賞も受賞、文壇の表舞台への復活を果たした。その後も『お登勢』『見知らぬ橋』『蘆火野』『放浪家族』、遺作となった『茜いろの坂』まで、新聞小説を主として精力的に作品を発表し、また多くの作品がテレビドラマ・舞台化されるなど、中間小説の大家として活躍し、国民ロマンの巨匠の異名を取った。』

 私がテレビで見たのはこの『石狩平野』ではなかったかと思うのですが、覚えてはいません。のちに『北の零年』を見たのですが、ウキペディアには『北の零年 - 2005年公開の映画作品。監督は行定勲、出演は吉永小百合、渡辺謙など。脚本は那須真知子のオリジナルであるが、船山の北海道開拓をモチーフにした2作品(『お登勢』、『石狩平野』)を参考にしており、本編のクレジットでも参考文献として紹介されている』とありました。

 この『野望』という小説は再ブレークより10年前の作品で雌伏期の作品のようです。で、少し読んでみると、若く美青年の主人公が、人を利用しながら、半分裏社会でのし上がっていく様を描いているんだとわかります。若く美青年じゃないとダメなんです。本人も人を、特に利用価値のある女性をたらしこむのに気おくれがしてしまうでしょうし、テレビ映りも良くありません。

 こういう人は庶民ののんびりと楽しい生活なんて考えないのでしょう。全身全霊でお金を追いかけ、策をめぐらします。

 貧しい苦学生で別れざるを得なかった男女の悲恋を対比させると、その醜さが際立ちます。そういう人種がいっぱい出てきて、最後は自ずとわかってしまうのですが、それでも最後まで飽きさせることなく引っ張っていきます。

 『1981年8月5日、心不全のため東京都新宿区中井の自宅で死去。享年67。おしどり夫婦として知られた妻の船山春子も同日の夜に狭心症のため急死したことも、船山の死と共に報じられ話題となった。』まるで小説のような一生だったようですが、このニュースを昔私も聞いた気がします。

2021年12月3日金曜日

 ネット記事

 私のように、ちょっと対面の対人関係が苦手な人は、ネットの多様な記事やコメントは、誰にも知られずに、知識を吸収したり、自学したり、賛同したり、感心したりできて、ありがたい存在です。更にこうして、学んだことや感じたことを、素知らぬ顔で発表できるのも、社会性がないと自他ともに認める私の社会参加の表れのような気がして、楽しいのです。

 『元マラソン選手で日本陸連の副会長を務める瀬古利彦氏(65)が1日放送の「徹子の部屋」(月~金曜後1・30)にゲスト出演。今年4月に34歳で亡くなった長男・昴(すばる)さんについて語った。』

 これは先日来、何回か読んでいる記事でした。

 『昴さんの亡くなる2年半ほど前からはマッサージをするのが日課だったという。「肩が凝るからマッサージしてくれる」と頼まれて始めると、半年ほどたったある日、昴さんが「僕一日の中で何が一番楽しみかって言ったら、お父さんのマッサージが一番楽しみだ」と語った。瀬古氏は「じゃあ俺、毎日マッサージしてやるから。飲んで帰ってもやってやるから、待ってろ」と約束。昴さんは言葉通り、瀬古氏が外で飲んで帰って来た時も待っていたとした。』

 リンパ腫で8年の苦しい闘病を家族みんなで支えていたようでした。

『入院中に体調が悪くなり、呼吸が苦しくなり、モルヒネを打つ前には電話がかかってきたとし、瀬古氏がかけ直すと、昴さんに「お父さん、僕がこんな大事なときに何で電話に出ないんだ!僕お父さんに最後に言うね、もう声出せなくなるから言うね!僕、お父さんのこと大好きだよ」と言われたとした。』

 何度読んでも涙でした。

『瀬古氏は「だから天国に行っても悔いはないんです。もうやり切ったんで家族で」』

 この言葉を読んだとき、『ああ、これだ』と思いました。

 夫が亡くなってから二度目の寒い冬がやってきました。まだ時々、隣の部屋にいるような気がして、『着るものは』と考えたりして、少しは淋しい気もしますが、これは自然なことなのだという思いは変わりません。

 私にも、この『やり切った感』があるのです。

 あれは亡くなる何か月か前、ネット記事に、「東大卒ホームレス」という記事が出ていて、私が、家族の前で、「私がいなかったら、パパもこれだったね」と冗談交じりに言ったのです。もちろん、夫が賛同するとは思いませんでした。ところが「本当にそうだ」と言ったのです。一瞬耳を疑いましたが、誰も何も言いませんでした。夫のこの言葉が私の『やり切った感』の根拠となっているのです。

 英国ミステリー噂話 縄張り

 昔、ケーブルテレビを見ていた時、AXNミステリーで英国ミステリーを見ていたのですが、何度も同じものを放送するのです。

 おかげでポワロもマープルも、シャーロック・ホームズもモースもフロスト警部もニュートリックスも全話見てしまいました。それも、終ったと思ったら、また再放送するのです。『まだ見てない人のためだろう』と思って我慢してましたが、この間、よそでAXNミステリーを見る機会があって、見たらまた同じようなものをやっていました。Jミステリーといって国内のも半分を占めていました。

 『ほかにいい作品はないのかなあ、イギリスも予算が取れないのかなあ』とか『AXNも英国ミステリーは高くて買えないのかなあ」とか心配していたのです。

 GYAOで見るようになって、英国ミステリーだけではなく、外国のミステリーや国内のミステリーも見られるようになると最初は、目新しいので楽しんでいたのですが、一年も過ぎると、やっぱり再放送が目立ち始め、『どうしてなんだろう、新しいのはないんだろうか』とか、『シーズンの続きは有料で見ろという事かしら』とか、やっぱり不満が出てきてしまいます。

 そんな時、『重大犯罪課 シーズン5』が終わって、私のように楽しみに見ていた人たちのコメントも見てみたいと、吹き替え版と字幕版の両方のコメント欄をすべて見てしまいました。みんな同じ気持ちのようです。

 『『シーズン6』で最後な様で、是非・是非~よろしくお願いします!』とか、

 『シーズン6が楽しみ。今更、有料なんて言わないでくださいね。』とか。

 『続きは有料でとなったら消費生活センターに連絡だ!』とか。

 中に

 『GYAOさんシーズン5までの無料配信ありがとうございました。

今、配信業界は大手外資系の本格参戦でどこも激戦になってきましたね。

ここでも良くリクエストに上がっているbonesや24などはFOX系列なのでそこの大株主様の配信サイトで独占配信になりましたしネットワーク系はライセンスが複雑なので決まった所でしか配信出来なかったりします。』という内部事情に詳しそうな人のコメントがあり、私のような初心者で、もやもやしている人は『ああそうなのか、縄張りがあるのか』と業界情報を手に入れて、諦めるのです。これ、内部の人かな。

 『私はこのドラマ大好きです。何がどうあっても結局は人間対人間。重犯課のメンバーの絆と仕事への情熱、思いやり等々全部が好きです。』これは私と同意見です。

2021年12月2日木曜日

 自分に勝つ

 誰のことだったか忘れてしまったのですが、多分スポーツ選手の事を扱った番組かなんかだったと思います。

 「毎日、自分に勝って、トレーニングを続けている」という感じのコメントがありまして、『ああ、そうだ』と思ったのです。

 今、私も毎朝、ストレッチや筋トレを十種類くらいしてから起き出して、それから、朝のルーティンの整体屋さんのユーチューブを見て、実践してから、朝ご飯を食べて出かけます。

 この時、ちょっと遅くなったり、他に用事があったりすると、「今日はいいか」となまけたくなります。

 このほかにも、毎日しなければならないことはたくさんあります。歯磨き、風呂、洗濯、掃除、ごみ出し。食べることだけは忘れませんが、「今日はいいか」はちょくちょく頭をよぎります。

 『このことなんだ』と思いました。子供の時から「今日はいいか」と言って、やらないことは往々にしてありました。いわゆる怠け者だったのです。夏休みの宿題はいつも最後の日か、翌朝学校に行く前までやっていました。

 『自分に勝って』毎日やるという習慣はごく最近までありませんで、意志の弱い性格でした。もちろんスポーツなんか、体育の授業以外ではしたこともありません。ヨガは何とかテレビにつられて4,5年続けましたが、他はすべて、長くて一年くらいです。公民館の講座くらい、一か月くらいがちょうどいいと思っていました。しかもこれらはスポーツばかりではありません。

 そういうことなんです。今まで、『自分に勝って』何かしていれば、肥満に悩むこともなかっただろうと思うのです。あとちょっとでも勤勉であったなら、何か技術を身につけられていたかもしれません。

 『克己心』という言葉は知っていましたし、意味もよく知っていました。でもそれを自分がすることだとは考えていなかったのでしょう。

 そういう過去を踏まえて、今、70過ぎて、遅ればせながら、『自分に勝って』朝トレをつづけています。これは、自学というのでしょうか、自覚というのでしょうか。

 おかげで足はだいぶ良くなり、そうするとなまけたくもなりますが、まだ時々思い出させるように痛くなり、やるしかないと思わせてくれます。これが一病息災ということなのでしょう。