2021年11月26日金曜日

 民主主義サミット

 中国には『国恥地図』というのがあると、ネット記事で知りました。中国が最大の領土を持っていた時の地図で、近隣諸国や南シナ海、日本の一部も含まれているのだそうです。中国はその領土を回復したいと思っているようです。

 それに対抗して、アメリカを中心に欧州や豪州が襲われそうな台湾や日本を擁護しながら、乗っ取られてしまった南シナ海を航行して嫌がらせをしています。

 そしてこの度、アメリカは台湾を『民主主義サミット』に招待したのだそうです。また台湾は中国とは政治形態の違う民主主義を標榜していて、この度、リトアニアに代表処を開設したのだそうです。

 リトアニアはバルト三国の一つで、昔ソビエト連邦から必死で独立したのです。あの時の平和的なそして身を挺した抗議運動『人間の鎖』はあまりにも有名ですが、私たちも攻め込まれたら、あれをする以外方策がないだろうと思います。でも、あの時ソ連の指導者がゴルバチョフさんで本当によかったと思います。確か、ノーベル平和賞を受けたんです。

 で、リトアニアと台湾は同じような運命下にあるので、民主主義でがっちり手を握りあったという感じです。

 で、アメリカが開くこの『民主主義サミット』に台湾を招待すると、中国が当然ながら、台湾は中国の一部と反発し、リトアニアからは領事を引き上げたとか。

 で、台湾の蔡英文総統は出席を見送り、代わりにオードリー・タンIT 大臣が出席するのだそうです。当然中国の反発を考慮したのかなと思いました。そういえば、東京オリンピックにもオードリー・タンIT 大臣が代理出席すると言っていたのに、日本側が今度は中国に遠慮したのだと思いますが、断ったのですよね。

 オードリー・タンIT 大臣はきっと優秀で、次期総統候補なのかなとか思いましたが、ちょっと深読みすると、オードリー・タンIT 大臣はトランスジェンダーなのです。自国内の少数民族をも差別する中国ですから、トランスジェンダーが脚光を浴びるのを当然嫌がるだろうと思います。台湾は以前にも書きましたが、少数民族や同性婚の人々をたたえるパレードを催したくらいですから、すべての人に可能性が開かれている国だということをオードリー・タン氏を起用することで中国にも世界にも認めさせたいのではないかと思いました。

 アメリカの民主党大統領の指名選挙で同性で結婚しているブティジェッジ氏が何州かを獲得したように『新しいことに挑戦できるか』と中国に考え方の違いを突き付けているような気がしました。

2021年11月20日土曜日

 本 アンドレ・ジッド『未完の告白』新庄家嘉章訳、新潮文庫昭和35年版

 これは私の本です。一応文学少女で、有名な本をたくさん読みたいと買いあさったのでしょうが、結局読まずじまいだったようです。

 今回11月の月一冊の本にしようと取り出しました。本当に50年前の自分は今の自分とは『違う人』なんです。養老孟子先生のおっしゃる通りです。

 読み始めると、女学校に通う年頃の少女の告白のかたちです。批判精神を持った純真な性格がうかがわれますが、あまりにも若すぎて、70過ぎのおばあさんは、「で、どうやって生きていくのよ」と時々聞いてしまいます。少女は、お父さんのことを、人に取り入って仕事を得ている、それしか取り柄のない俗物と軽蔑していて、「じゃあ、あなたはどうしてこの裕福な生活を享受しているのよ」と、ちょっとは苦労したおばあさんは言いたくなるのです。

 アンドレ・ジッドのことは実はあまりよく知らなくって、フランスのノーベル賞作家だと今回調べて知りました。『未完の告白』は『女の学校』『ロベール』に続く三部作の一部だそうです。

 ある日掃除をしていましたら、全く同じ装丁の『未完の告白』がもう一冊出てきました。そっちはちょっと古くって、昭和30年の版でした。そっちは読んだ形跡有で、夫もその昔読んだのでしょうか。それとも、ある本の『下』を二冊買った前歴のある私がぼけてて二冊買ったのでしょうか。そういえば、全く読んだことがないと思っていたのに、真ん中あたりで、『この情景は見たことがある』と思いました。どうやら、真ん中あたりまでは昔一度読んだようです。

 真ん中を過ぎると、少女の希望する生き方が語られるようになります。その希望が現実と衝突して、衝突するたびに少女は何かを感じ、考えます。これ、『自学』ではないかと思いました。こうすると、「自学ノート」を作らなくても自学することができるのだとわかりました。

 私が少女と同じ年ごろにはこんなこと考えもしなかった、世間の常識のようなものを心から信じ、『学校の勉強が一番大事』と考えていました。『ボケっとしていた、何も考えていなかった』と今思う年頃です。

 後半は急展開で、あっという間に終わってしまうのですが、それが『未完の告白』だったようです。

2021年11月18日木曜日

 ミニマリストとは

 ミニマリスト宣言をして、いわゆるつましい生活を心がけているのですが、『必要最小限で生活する』というミニマリストの定義の段階にはまだ至っていません。

 ものがたくさんありすぎるのです。と言っても、この頃、「何かお宝があれば買い取りますよ」と言って訪ねてくる人たちのターゲットになるようなものではありません。

 古着なんです。衣食住と言いますから、これ、無いと困るものです。もうだいぶ前に亡くなった姑は、私にこの『衣食住』を教えてくれた人ですが、「衣が一番大事」と言っていました。若い私は食いしん坊でしたから『食じゃないかしら』と心の中で反抗していたくらいでしたから、あまり衣類をそろえるということはなくって、食につられて太って行くので、必要に迫られて服を買うという感じでした。それでも物としてはどんどん増えていきました。ところが社交家の姑は食を削っても衣類を買うタイプで、これもどんどん増えて行って、時々、大きすぎると言って私の方にもおさがりが来ました。姑が亡くなった時、体形が合わないので、引き取り手の無い衣類を義兄が何回も車に積んで捨てに行きました。

 私の母も歳をとって、病院通いが始まると、出かけるたびに買っていて、弟が、「ボケたんじゃないか」と心配していましたが、その前にも、編み物教室に通っていて、自分のものだけでなく私や孫たちのものまでたくさん編んでくれました。その母が亡くなった時、弟は体形の同じ私に全部くれたのです。私の服は一挙に増えました。

 それに加えて、娘たちは買ってしまって気に入らない服を私のところに持ってきます。

 もともと衣類が多いほうではなかったので、私は喜んで貰いまして、私のところには大量の衣類が集まりました。

 洋服というものは、そのままではなかなか着れません。身体に合わせて直したり、時にはほどいて編みなおしたり、小さいものは二つを併せて一つにしたり、ある時は帽子を何個かつくりました。これは着道楽の姑がやっていたことです。

 そういうわけで、あれもこれもと直していくと、今や、私は服を買う必要が無くなりました。

 今、私が目いっぱい頭を使っていることは、亡くなった夫の背広です。体形が違うので、引き取り手がありません。弟は背広は全部捨てたと言っていました。あれほど体形に合わせて、詰め物もしてあってきっちり作ってあると、作り変えるのは至難のわざです。まあ、私にはこれから先、ひとりでつぶすべき時間がありますし、失敗しても誰にも迷惑はかかりません。

 工夫というものは楽しいものです。きっと他のミニマリストの方たちも、めいっぱい頭を使って工夫することが生きがいにもつながっているのだろうなと思います。

2021年11月8日月曜日

 ベイシックインカム、続き

 世界的ベストセラーとなった『サピエンス全史』を書いたユヴァル・ノア・ハラリさんの次の本には人類の未来を描いた『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』という本があるらしいです。

 私は読んだわけではありませんが、その中には格差はますます広がって、金持ちだけが永遠の命に近づけるというようなことが書いてあるらしいです。貧乏人の仕事はロボットやAIがして、才能才覚のない弱者は生きていく術を失うということでしょうか。

 生きづらい世の中なら、誰も子供を同じ目には合わせたくない。人口減少は当然起こるべくして起こるでしょう。これを食い止める事は、いわば、公共事業、インフラ整備ではないでしょうか。人口が減少して下請けをする貧乏人がいなくなったら、誰が国を支えるんですか。人民がいなくなったら、王様は生きてはいけないでしょう。ロボットがいるって言っても、それまでの間です。10年でしょうか、20ねんでしょうか。税金を使って人口減少を食い止める、これは福祉ではなく公共事業ですし、インフラ整備です。

 政治家にとって、バックマージンのある公共事業だけが得をするのではありません、ベイシックインカムの恩恵に浴した人はみんなその党に無償で投票するでしょう。政治家は自分のためにも、第二のセイフティネットであるベイシックインカムを法制化すべきです。

 思うのですが、わずかでもベイシックインカムを貰った人は収入の少ない田舎にだって住めると思います。業者さんに頼まなくっても、道路の草刈りなんか自分たちでしながら、過疎とか限界集落なんてなくなるかもしれません。畑を耕して細々と静かに暮らしたい人は少なくないと思います。

2021年11月7日日曜日

 英国ミステリー噂話 メジャークライムズ ロス市警重大犯罪課、シーズン5

 やっぱりこのドラマ好きです。重大犯罪課なのに、家庭ドラマの要素がたっぷり入っているのです。シーズン5まで楽しみに何度も見てしまいました。何度も見るというのは、実をいうと、テンポが速くって、かつ最新の科学技術が入っているので一度では理解できないという理由もあるんです。

 このシリーズは、シーズン6で終ってしまうというので、ネット記事を書いている人たちがいて、それらを見てみると、会社の方針で打ち切り、制作人はみんなもっと作りたいと言っているそうで、ファンは継続の署名運動をしているとか、いないとか。

 これの前作の「クローザー」から数えると、フリン警部補もプリベンザ警部補も13年も続けて同じ役をやっているわけですから、さすがに歳をとったのでしょう。それが打ち切りの一因かなと思えます。

 他にも、出演者たちのその後を書いている方がいて、ひとりひとりについて、経歴、メジャークライムズ終了後の出演作品、私生活と三部構成でまとめています。若いころの写真などもあって、よくこれだけの情報を集めたなと感嘆と称賛をもって見させていただきました。

 ちょっと驚いたのは、このドラマの中で、ラスティとガスがゲイとして描かれていて、コメント欄には「いやだな」という書き込みがあったりしましたが、重大犯罪課の仲間たちには自然のこととして受け入れられていました。

 『さすがアメリカ、進んでる』と私は思っていたのですが、フィリップ・P・キーン(バズ・ワトソン役)のところに、『原案・製作総指揮を務め、長年の恋人だったジェームズ・ダフと同性結婚しています』と書いてあったのにはびっくりしました。やっぱり『さすがアメリカ』ですね。他にもう一人、ジョナサン・デル・アルコ(フェルナンド・モラレス役)が、ゲイを公表していて、結婚しているそうです。

 アメリカでは自然に受け入れられているんですね。私のように騒ぎ立てているのがおかしいみたいです。離婚、再婚も多いです。リストアップされた主な出演者の半数は離婚経験者みたいです。

 などなど、興味を持ってみてみると、ネット記事でいろんなことがわかるんですね。


 この作品がなぜこんなに受け入れられているのか、なんとなくわかった気がしてきました。この作品には、いろんな人たちがそれぞれの個性を前面に出して生活しているのです。人種的にもそうですが、こういう個人志向、フリオのような熱血漢、元アル中、離婚経験者、プリベンザやシャロンのように部下思いで頭が働く智慧者、若くて熱血漢の刑事たちはあとから参加しています。そこに、身内がちょこちょこ出てきます。息子にしろ奥さんにしろ、あんなに警察内部に入って来れるのかしらと思うくらいですが、これはアメリカだからなのかもしれません。

 とにかく、いろんな個性が、まじりあっていて、中には一人くらい自分に似ている人がいて、ついつい応援したくなってしまうということなのだろうとわかってしまいました。