イタリアの小さな村
こういうタイトルの番組があります。いつも同じような話ですが、好きで時々みています。
構成はイタリアの小さな村に住む、たいていは二人の人物に焦点を当てて、その人のこれまでの人生、例えば戦争中の話とか、ドイツに出稼ぎに行っていたが、生まれ故郷の村に住みたくって妻と二人で帰ってきた人の話とか、ずっと村で羊飼いをしている人の話とか、村の大工の話とか、夫に先立たれて、一人で働いて,子供達を育て上げた女性の老後の生き様とか、一つ一つが一人一人の物語なのです。
誰でも一つだけは物語が書けると良く言われますが、その物語の集合なのです。時々は飽きてしまう事もあります。でも、誰の人生にも学ぶべき事があるように、テレビに映った遠いイタリアの人々の人生にも学ぶ事はたくさんあります。
例えば、子供達を独立させて、一人で生活しているおばあさん。太っていて私と同じ、毎日ヨタヨタと坂の下の畑に行って、野菜や野草を摘んで、食事を作り、誰にも迷惑をかけずに、神様に感謝しながら生きています。未来の自分をみているようです。
独身の若い人たちも出てきます。みんな、しっかりと自分のやりたい事を持ち、未婚にしろ、バツイチにしろ、周りの人は、それぞれの生き方を尊重して何も言いません。今は日本もそうなってきていますが、見習わなければと思います。
中でも、今、私が見習っている事は、イタリアのマンマの心意気です。どんなに急がしくっても、パスタを捏ね、外に出た子供達の分まで食事を作り,できるだけみんなで大きな食卓を囲んでいます。なんて大らかなんだろうと思いました。それらを見ていて、いつの頃からか、私も日曜日に娘達の家族の分も料理を作って、一緒に食べるようになりました。やり始めると、料理の腕の悪さに気づかされ、テレビの料理のアイディアなどが目に止まります。
こうした生活は忙しいですが、きっと生きている楽しみなのです。近所に住む老人家庭をいつも気にかけている商店主の女性の話も出てきましたが、あのボランティアも、きっと生きていればこそできる満足感があるのかもしれません。
こうして他の人の人生をかいま見せてもらって自分の人生に取り入れ、人は成長して行くような気がして、時々は見せてもらっています。