くず鉄屋さん
以前にも書いたことがあるんですが、亡夫はコレクターでなんでもかんでも家へもってきて、わが家は倉庫と化していたのですが、亡くなってから三年、整理はまだまだ続いていて、その中には鉄製品も結構ありました。一番先に捨てたのが、江戸時代の釘、バケツに3、4杯ありました。これは小さいので、燃えないゴミで出せましたが、それらを入れておく大きいロッカーは市の粗大ごみ引き取りを頼むと、一個800円ほどとられます。なので小さめのロッカーは何とか我が家の軽自動車に押し込んでゴミ焼却場に持って行ったのですが、それでも重いと500円くらい取られます。
そんなある日、田んぼの真ん中に、鉄などの金属を買い取りますという看板を見つけて、そこへ持って行きました。最初は1000円弱になって大喜びした話をしたと思います。そこにいた日本語の上手な中国人のきれいなお姉さんの話もしたと思います。
今回、減築するために片付けていた際に出た鉄くず類もそこに持って行かなくてはと思っていたのですが、なんとなく気乗りがしませんでした。もうあのきれいなお姉さんは辞めちゃって、別の女性が二人で、片言の日本語で応対をしていました。それが全く不愛想なのです。多分親子だと思いますが、似た顔で似た態度です。多分オーナーの一族なのでしょう。
それでも持って行かないと片付かないので、意を決して出発しました。今回は縁の下に放り込んであった金属も引っ張り出してきて、一緒に持って行きました。
途中まで行くと、同じような屑鉄屋さんの看板が見えました。違うお店に行くのはちょっと怖かったのですが、あの不愛想さに比べればどこも同じです。それに近いからガソリン代がお得です。
すぐに見つけて中に入ったのですが、受付に誰もいません。離れたところで作業をしている人たちに声をかけたのですが、振り向いてもかかわってはくれません。多分中国系の人たちで言葉がわからないのだと思います。やがてトイレと思わしき場所から出てきた男性が、持って行った金属を見て計ってくれて値段を算定してくれました。手も洗わずに缶入りのお茶も出してくれました。でも彼はそれこそ片言の日本語でしたが、人の好さが見て取れて、本当にこっちに来てよかったと思いました。日本語が上手、下手の問題じゃないです。人柄の良さは誰が見てもわかるものです。また持ってこようと思いました。
ユーチューブで見ていると、中国経済の破綻が言われていて、職がない若者が多いと連日ニュースになっています。確かに私が持ち込むようになったこの一年でも、鉄くず屋さんは雨後の筍のようにあちこちにできています。受付のおじさんは日本語は下手ですが、数字はしっかりした経理のできる人の書き方でした。ドラマによく出てくるようなトラブルに巻き込まれないで、有意義な仕事なのですから楽しく働いてほしいと願ってしまいました。