本、地球の歩き方 アイルランド
『地球の歩き方』を出版していたダイヤモンド・ビッグ社が倒産したというニュースは入院の前に聞きました。それだからと言って、『地球の歩き方 アイルランド』を入院中に読もうと思って持って行ったわけではありません。こういう旅行本って、旅行に行く時でもなければ読まないですし、たっぷり時間があって旅行した気分になれていいかなと思ったわけです。
この本、実際、1996年の改定第三版です。いつか行きたいと思って買ったのでしょうが、行く暇もなく、読む必要性もないままに、27年が経ってしまったのです。今この時に読まなくっていつ読むというのでしょう。
というわけで、手術が終わって、次の日、まだトイレくらいにしか行けないあたりから、少しずつ読み始め、退院の前の日には読み終わりました。
私は曲がりなりにも英文科でしたから、当然アイルランドのことは結構知っているつもりでした。が、実際は何にも知らないんだということにいちいち気づかされました。でも入院中は手元にコンピューターがないから、その都度調べられない。
その最初が『クロムウェル』。名前だけはよく覚えていました。読み進むと『ピューリタン革命』で残虐行為をした指揮官のようでした。今までそんなに悪い人だと思っていなかったのですが、今、ウクライナの戦争を見ていると、残虐な行為をする人はいるのだとわかります。そこで『クロムウェル』をウキペディアで調べてみると、
『オリバー・クロムウェル(英語: Oliver Cromwell、1599年4月25日 - 1658年9月3日[1])は、イングランドの政治家、軍人、イングランド共和国初代護国卿(Lord Protector)。
清教徒革命(イングランド内戦)では鉄騎隊を指揮してエッジヒルの戦いやマーストン・ムーアの戦いで活躍し、ニューモデル軍(新模範軍)の副司令官となる。ネイズビーの戦いで国王チャールズ1世をスコットランドに追い、議会派を勝利に導いた。護国卿時代には独裁体制を敷いた。』という書き出しで、アイルランドの話などどこにも出てきません。読み進んでみると、国王軍と議会軍で戦ったイングランド内戦の後、内部抗争の第二次イングランド戦争を経てチャールズ一世を処刑して、『共和国の指導者となったクロムウェルは、続けて平等派も弾圧し始め、中産市民の権益を擁護する姿勢を取るようになる。重商主義に基づいた政策を示し、同時に貴族や教会から没収した土地の再分配を行った。』といいことも書いてありました。
その後アイルランドが出てくるのです。『アイルランド併合とスコットランド侵攻
カトリックのアイルランドやスコットランドは1649年から1651年にかけて反議会派の拠点であった。クロムウェルはアイルランド遠征軍司令官兼アイルランド総督に任ぜられて侵攻を始め、1649年8月にダブリンに上陸、続いてドロヘダ、ウェックスフォードを攻め、ドロヘダ攻城戦・ウェックスフォードの略奪(英語版)などの戦闘を始め各地で住民の虐殺を行う(クロムウェルのアイルランド侵略)。アイルランドはクロムウェルの征服により、以後はイングランドの植民地的性格が強い土地となる。』まるでロシアの侵略のようなことをしていたのですね。この後スコットランドにも攻め入っていくのです。
内政的には『軍政監を廃止。議会によって国王への就任を2度にわたって望まれるが、これを拒否して護国卿の地位のまま統治にあたった。同年にユダヤ人の追放を解除し、これによって1290年7月18日のエドワード1世による追放布告(英語版)以来350年ぶりにユダヤ人が帰還した。』等いいこともしているようです。
しかし、死後には王政が復古し、墓を暴かれて首をさらされるなど、評価は分かれるようです。彼自身も大変な人生だったでしょうが、9人の子をなした奥さんも大変だったでしょう。
ノーベル賞作家のイェイツ等の文学者のことも調べたかったのですが、また今度にしましょう。ただ、私が英文科にしてはあまりに何も知らな過ぎたという現実はよくわかりました。