貧しくても豊かな時代とは
私も歳を取ったせいか、昔はよかったなと思うことが多々あります。
例えば農薬。わが家では娘と孫が化学物質過敏症なのです。ナノで、いつか中古住宅が安くなったら買おうかと予備知識を入れている私としては、ああ、これもダメだと思う事が多いのです。
例えば、山が見えると書いてあった築17年のきれいなお家が結構安く売り出されていました。田舎なせいか敷地も広く、菜園なんか何枚でもできそうでしたが、ネットの地図で見ると、前に田んぼが広がっていました。田んぼには今は草取りをしなくていいように、一発除草剤というのを蒔くのだそうですか。それを蒔いたと思われる6月頃、近くの公園に行った孫が火がついたように泣き叫んだのを思い出します。だから、田んぼの近くはダメなんです。その家はもう売れてしまいましたが。
また、田舎の方に、広い敷地で、築41年と書かれた和風の堅牢な住宅がフルリフォームでそれでも割り方安く売りに出されていました。庭に菜園も作られていて他はあまり草取りなどしなくていいように砂とか蒔かれているようでした。築41年というと、今のわが家より古いのですが、その頃にしては、二階にトイレがあるのです。後付けのようではありましたが。とにかく、堅牢で、赤いレンガの塀などもうつっていました。良さそうですよね。でも、やっぱりネットの地図で見ると前に畑のような土地が広がっていました。そう言えばと思いました。あの辺りは芝畑が多いのです。あの辺りの道を車で通った時に孫が突然泣き出しました。そこは見渡す限り芝畑でした。ゴルフ場の芝には強い除草剤を使うので健康に悪いと昔、何かで読んだような気がします。それが、パワーウインドウのボタンのわずかな隙間から入って来たようでした。で、あの辺りもダメ。
昔は田畑の風景は、心癒すものと思われていましたが、今は空気汚染されていると思われます。カエルもドジョウも蛍もいつの間にかいなくなってしまいました。
昔もあったのですよ。私は田舎育ちでしたから、子供の頃、白い布を立てたところは農薬の空中散布をするから近づかないように言われました。あれはイナゴ対策だったと思います。夫が昔食べたというイナゴもいなくなりましたが、蚊もいなくなったと喜んでいました。田の草取りは大変でした。母が苦労していたのを馬鹿な私は横目で見ていました。広い屋敷の草取りをする母を気遣って、父が蒔いた除草剤が台風の雨で池に入って食用の鯉が何匹も浮いていた話はしましたし、農薬自殺をする人の話もしました。
ちょうどあの頃が境目だったのですよね。大変な生活を助けるために農薬が使われ出したのです。環境的には昔はよかったと思いますが、母達の苦労を考えると、どちらがとも言えません。
どちらにもいいように、大々的にお金をかけるということではなく、工夫して行く事が大事という事でしょうか。