古典文学大系と絵巻大成
昔々私が買った岩波書店の日本古典文学大系、百二巻あるのです。若かりし頃は文学少女を気取っていましたから、読破するつもりでいました。でも、結局の所、人生の荒波に揉まれて、流されているうちに、読もうという気力も、遂には、本棚の下の方にある事さえ忘れていました。
これ、古本のコーナーを開いて値段を調べてみると、たくさん出ているのです。つまり、ピンからキリまで数多く古本が出ているのです。古典の原文ですし,古いですから、ピンは書込み等もあるのかもしれませんが、一桁二桁の値段,キリは未使用に近いもので、それでも一割、二割引いた値段でした。
毎年のように増刷されていたようでしたから、そうとうの量の本が出回っているのです。それに加えて読む人は限られているでしょうから。
どうしようと思いますよね。で、どうせ売れないだろうからと、元の値段で出す事にしました。皆さんに眺めてもらうだけでも、本の存在した意味があるかなと思ったのです。
もう一つ、夫が買った中央公論社の日本絵巻大成という大形本が二十七巻ありました。夫も買っただけでほとんど見ていないという代物で、元の値段がおおよそ一冊1万円くらいのもの(中の一冊は2万5千円)でした。
これをセットに出来ないかなと思って、調べてみたのですが、古典文学大系と絵巻大成は、必ずしもリンクしていないのです。同じだったのは有名な物語だけで、絵巻は合戦図や縁起等が多かったし,文学大系は歌舞伎や連歌、随想集等もあります。
それで、同じカテゴリーにこの二シリーズだけを並べて、決して安くない値段をつけました。
絵巻大成は『続』が出ていますし、古典文学大系は『新』が出ています。いくら未使用でも、これだけたくさん出回っていると、それがみんな無くなってからしか、わが家のショップの本には出番が回って来ないでしょうから、まあ、売れないという前提で、高い方の値段をつけて置く事にしたのです。安いと、状態が悪いと思われるのもいやですし。
本当に眺めて貰うだけでいいのです。いつか、そのうちには。