2014年4月16日水曜日


フィクションを売る国

 バーナビー警部やモース警部、フロスト警部等のオーソドックスな英国ミステリーが大好きになってしまって、再放送の度にチェックしてみています。
 他にも、ポアロやマープルは言うに及ばず、ヴェラ、ルイス警部。以前はCSI科学捜査班を好んで見ていたのですが、この頃はそのスピード感について行くのが難しくなりました。
 という事は、アメリカドラマからイギリスドラマに変わったという事でしょう。何が違うかと言うと、イギリスドラマは大抵二時間ドラマなのです。そのために登場人物が多くて複雑です。
 昔、アガサクリスティのマープル本を初めて読んだ時、出だしでつまずいて投げ出した事がありました。延々と状況説明が続くのです。バーナビー警部もしかり、関係あるんだかないんだか分からないような人たちが次々と登場します。考えてみれば、事件がおこって、刑事が事情聴取に行く人たちは、みんな初対面の人ばかりなはずですよね。しかし、それぞれ個性ある人たちが、連鎖的に現れて来て、その人生に苦しむ姿がいつの間にか憎めない存在になって来るのです。
 バーナビー警部の作者はキャロライン・グレアムという女性のようで、場所は、ミドサマーと言う架空の美しい田舎町、彼女はきっと、クリスティのように有名になるような気がします。
 ところで、主演のジョン・ネトルズという役者を調べようとしても日本語のサーチにはほとんど引っかかりません。他の出演者も然りです。英語のウキペディアはありました。14年間、200カ国で放映されているという割には静かな扱いです。モース警部もフロスト警部もしかり。英語のウキペディアではフロスト警部にはサーの称号が着いていました。モース警部にも着いていたような気がしますが、何せ英語でしたから。
 この国はシェークスピアの国だから、役者さんは多いのだろうし,優遇もされているのだろうと思いました。華やかにハリウッドに進出している人も多いですが、底辺が広いのだろうと思います。
 ジェシカ伯母さんを演じていたアンジェラ・ランズベリーさんもイギリス生まれです。ストーリーも美しい港町に住んで、事件を解決して行く所は一部似たところもあります。
 つまり、この国は演劇や小説や、ものがたりを売る国なのだと思いました。昔からケルト人は空想的と言われていますが、アーサー王伝説も有名でしたし、最近はハリー・ポターも世界的になり、観光も含めて外貨を稼ぎまくりました。
 フィクションで国を富ます事も出来るのだと気がつきました。