野球選手に学ぶこと
昨夜、6時間に達しようというゲームを見てしまいました。延長12回で逆転勝利です。4対0から3点を返し、4対3の9回裏、2アウトから田中選手がヒットを打ち、二塁に盗塁して、菊池選手がヒットを打って同点。12回、2アウトから、阿部選手が二塁打を打ち、次の下水流選手が初球をヒットしてサヨナラ勝ちでした。
私なんて、4対0の時に、相手のブキャナン投手がいいから、もう、負けだなと思いました。3点を返した時は満塁だったので、もしかしたら、同点になるかもしれないとわずかな希望を持ちましたが、それも潰えて、4対3で負けるなと思いました。途中で寝ようかなと思ったりして。
9回裏、2アウトから田中選手と菊池選手がヒットを打って同点、これが3塁打だったので、これで勝てるかと思ったら、好調のはずの丸選手が不調。
延長ではリリーフも結構打たれていたので、このまま同点でもいいやと思っていました。そして12回、2アウト、それまで不調だった阿部選手が、「絶対つなぎますから」と言って出て行ったとヒーローになった下水流選手が言っていました。『だから、絶対自分が帰そう』と思ったそうです。私なんてとっくの昔に諦めていたのに。彼らは諦めないんです。どうしてなんでしょう。仲間がいるからかなあ。
もう何十年も前、いつも下から二番目の弱いチームの中で、負けても完投していたり、1対0で巨人に完投勝ちしたりしていた黒田投手を見ているうちに、いつの間にか広島ファンになっていました。ちなみに、1対0で巨人に完投勝ちした試合を病室で見ながら、「博樹にありがとうと言って」と言って、お母さんが亡くなったそうです。こんな話を読むと、応援したくなりますよね。メジャーに7年間行っていましたが、行く前にお父さんが亡くなり、良い家族に恵まれていたとは言え、偉業を両親に伝えられないのが残念と言っていました。
引退会見の時は、「いい夢を見させてもらった」と、リーグ優勝をプレゼントしてくれた仲間に感謝していました。
こういう仲間意識って、私にはあまりないんです。だからすぐに諦めてしまうんでしょうかね。これからは家族を仲間と思わないといけないかもしれません。お互いに歳をとって補い合わなければやっていけない感じです。
それと、いわゆるファイティングスピリットというやつですね。黒田投手のお母さんは自身オリンピック選手?だったようで、大変厳しかったそうです。怠けを許さないし、甘えを許さない。お父さんは少年野球チームの監督で、負けるとグラウンドを何周も走らされたようです。
目についたのは、打者黒田の時、阪神の藤浪投手が二球続けて、すっぽ抜けの頭部に近い球を投げ込んだ時、メジャーリーガーのように怒ったのです。普通日本人はそんなに怒らないし、ある程度寛容です。これもメジャー仕込みかと、ちょっと、興ざめして見ていたのですが、同じようにして、大瀬良投手がデッドボールを受けた時、藤浪投手と仲良しの大瀬良投手は「大丈夫だよ」という風に急いで笑って手を振ったのです。これ、『いい人』と思いますよね。
後に黒田投手は大瀬良投手に「あの態度が、いいとか悪いとかは言わないが、グラウンドでは戦っているんだよ」という風な金言を残したそうです。
私は太っているくらいだから、怠け者で、運動が嫌いです。その私がこの二年間、テレビとともに運動を続けているのですが、三十分の運動時間の間に何度時計を見ることか。いつも心ここにあらずなのです。
そういう基本のトレーニングって、ゲームをするほどには楽しくないのでしょうが、野球選手は黙々としているのです。ランニング、ストレッチ、筋トレ、この間ゲームに負けた後にもかかわらず、ジョンソン投手が鉄アレーで、筋トレをしている写真がありました。野手はほとんど、ゲームの後に打ち込みをして帰るのだそうです。そういえば、王選手の素振りの話も有名です。皆さん怠けないのです。
二年たって、なんとなくわかるのですが、少しでも筋肉がついてきて、そのせいで体と頭が連動して細かく動けるようになった気がします。そうすると、心に余裕ができる、周りに目配りができる。今の瞬間に集中していても、この感覚があると、菊池選手のように、飛んでくる球を分析し、くらいついてファインプレーができるのではないかと、勝手に素人分析しているのです。だから、私も怠けずに頑張る。ろうそくの火のような微かなファイティングスピリットです。
あとは謙虚さです。皆さん,周りに超一流がたくさんいる、今日うまくいっても、明日はわからない。天狗になってはいられないのです。謙虚だから練習するという公式も成り立つような気がします。