2023年2月20日月曜日

 近頃のユーチューブ 岡林信康、山谷ブルース

『今日の仕事はつらかった、あとは焼酎あおるだけ

どうせどうせ山谷のドヤ住まい、他にやる事ありゃしねえ

ひとり酒場で飲む酒に帰らぬ昔がなつかしい

泣いて、泣いてみたって何になる、今じゃ山谷がふるさとよ

工事終わればそれっきり、お払い箱の俺たちさ

いいさ、いいさ山谷の立ちんぼう、世間恨んで何になる

ーーーーーーーーーーーーーー』

この後も続きますが、私が昔聞いたことのあるのはこのあたりまでです。

この方、学生運動華やかなりしころの『フォークの神様』と言われた方です。でも、田舎出の学生だった私は、直接聞いたことはありません。周りの人が歌っているのを聞いただけです。

 これを聞いたとき、私は、小さいころ、農家だった家に奉公に来ていたお兄さんを思い出すのです。年季があけるとそのお兄さんは東京に働きに行ったようです。一度だけでしたが、帰ってきて挨拶に来ました。とび職をしている、東京は稼げると言って、親孝行をするつもりのようでした。でも、母は「あの子はよかろう様だから、お金なんかすぐに無くなってしまうだろう」と言っていました。

 なんとなく悲しい歌でした。

 この度、ユーチューブで初めて見た岡林信康さんは初老のスタイルのいい、ハンサムで、話術のうまいシンガーソングライターでした。歌も声もやわらかで悲壮感を感じさせないくらい、十分に楽しく場を盛り上げていました。

 『ひとは山谷を悪く言う、だけど俺たちいなくなりゃ

 ビルも、ビルも道路もできゃしねえ、だれも分かっちゃくれねえが』

 今回最後まで聞いてみて、働く私たちはみんな同じだよと思いました。たくさんのコメントの中に研究者だという方のがありまして、『自分も同じように働いています』と書いてありました。