2022年11月13日日曜日

 世の中、スチール棚を売る

 私は引っ込み思案ですから、世の中のことをよく知りません。あれやこれやといろいろ考えるのですが、頭の中の試行錯誤ばっかりで、実行にはなかなか移せません。

 で、今、一番こころを占めているのは、家の片づけです。どれを捨てようか、これはまたいつか使う時が来るだろうか。これはもう使わないだろう、どうやって捨てようか。物置を見るたびに、試行錯誤ばかりしています。

 『もうスチール棚を置くスペースはない。古くて錆が出ている』とは思っていたのですが、『これを市の処分場へ持って行くと、処分してもらうのに千円くらいとられる。重いからと言って取りに来てもらうとその倍はかかる』 そう思うとなかなか実行に移せないでいました。

 そうこうしているうちに、いつもの道すがら、それまで廃業したレストランだと思っていたところが、いつの間にか鉄くず屋さんになっていて、『鉄くずを現金買取します』と書いてありました。『あそこに持って行こう』と思っていたのですが、なかなか実行に移せないで、ある日、偵察に行きました。

 すぐに事務所らしきところから顔を出した女性に、「スチール棚なんかも持ってきていいですか」と聞いたら、日本人ではないとわかる流暢な日本語で、「いいですよ」と言われました。

 その数日後、スチール棚を二個ほど解体して車に積み込み持って行きました。すぐ前に一台入っていったので、横に止めると、この前の女性が、「今、男の人が来てくれるから待っていてください」と言いました。しばらく待つと、前の車が出てきて、降りた男の人たちが事務室に行き、大枚のお金を受け取っていきました。

 しばらく待っても男の人が来てくれないので事務所の女性に言うと来てくれて、荷を下ろしてくれました。が、それだけで、私には大枚のお金はくれそうもありません。どういう事だろうと事務室をのぞくと、別の女性があまり上手でない日本語で、契約がどうのこうのと言っています。私も弱気になりかけましたが、看板を指して「現金買取と書いてあるので」と言いました。了解してくれたようで、先ほどの男性を呼んで、持ってきた棚を秤にかけてくれました。それから事務室の窓口で、1000円弱のお金を貰いました。私は本当に心からお礼を言いました。捨てるものがお金になるなんてこんなうれしいことはありませんでした。

 その後、重くて大きいスチールのロッカーをなんとか車に詰め込んで持って行きました。今度は、私も事務室の正面で車ごと秤に乗って奥に進み、下ろしてもらってから事務室の窓口に行きました。いつもの女性が事務所の中に入れと言いました。入り口を入るとそこにも窓口があって、もう一人の女性もそこにいました。今度は2000円弱になりました。それとウーロン茶を一本くれました。恐縮してもらってきました。中国の方たちだそうですが、大変なお仕事だろうに皆さん元気にやっています。私のぐずぐずが恥ずかしいくらいです。

 「またお掃除をして持ってきます」と言いましたが、次の荷はまだできません。