2015年6月12日金曜日


英国ミステリー噂話、本当の19世紀後半
     ラークライズからキャンドルフォードへ

 前にも、英国ミステリーには金持ちが多くって閉口するという話をし、本当のビクトリア朝(1839年から1901年)とはどんな時代かと模索しました。その時、「ラークライズからキャンドルフォードへ」というドラマにはそんな時代の庶民の生活が現されていると、話しましたが、子供時代からの自身の経験を元にして書いたと言われる、原作者のフローラ・トンプソンのウキペディアを見てみました。
 1876年12月5日生まれ、1947年5月21日、70歳で死亡。私の生まれるおよそ一年半前です。
 彼女の両親は英国の真ん中、オックスフォードシャーの北のはずれ、ジュニパーヒルというところで、石工と子守りをしていました。結婚して12人の子供を産みましたが、その半数は子供の時に亡くなりました。彼女はその長女でした。田舎で学校を出たあと、14歳で近くの町の郵便局に職を得たようです。その当時は、田舎出の女の子はメイドになるのが普通と「生活の世界歴史」にも書いてありましたが、きっと頭が良かったのでしょう。またはドラマにもありましたように、親戚だったのかもしれません。
 彼女は南イングランドのあちこちの郵便局で働いたようです。1903年にジョン・ウイリアム・トンプソン氏と結婚して二男一女をもうけ、下の子は1941年戦死、大好きだった弟も1916年に戦死しているようです。1914年からの第一次世界大戦と1939年の第二次世界大戦を両方をまともに経験してしまった世代ですね。その点、刑事フォイルと同じ世代でしょうか。
 そういう環境でしたから、彼女はすべて自力で勉強したようです。1911年には、ジェーン・オースチンの事を書いたエッセイが賞を受け、その後熱心に書く事に取り組んだようです。自然愛好家でもあったようです。
 そして、この「ラークライズからキャンドルフォードへ三部作」が代表作のようで、「ラークライズ」を、1938年、彼女がオックスフォード・ユニバーシティ・プレスに送って、すぐに出版されたようです。その後、「キャンドルフォードへ」、「キャンドルフォード グリーン」が出され、1945年に三部作として出版されたようです。
 70歳の時にハートアタックで亡くなったという事ですが、息子の死がこたえたようだと書いてありました。
 一度読んでみたい本です。DVDは出ているらしいです。