2017年6月17日土曜日

老いの時間

 この頃、夫が独り言を言うようになってしまって、ドキッとしてなるべく話しかけるようにしています。老いなんでしょうけれども、ドキですよね。
 この頃、夫はほとんど毎日テレビを見ていて、国内情勢や国際情勢にまさに翻弄されているようです。それがこの上なく面白いらしいのです。それを会う人みんなに話すので、人によっては辟易してしまいます。辟易しているのは毎日聞かされる私だけではないと思います。
 特に私は、もう残り少ない時間を好きな英国ミステリーと広島カープの応援、中古住宅ウオッチング、体操をしながら、仕事としてネットの本屋さん、野菜栽培、ブログ等をしながら、洋服の出し入れやリフォーム、料理掃除などの家事をこなして、更に、小さな家計を破たんさせないように管理して行かなければならない。女性は現場に密着しているのです。阿部さんのスキャンダルや米朝の綱引きなどにかかずらわってはいられないのです。
 でも、なんとなくわかるところもあるのです。ある時、ふっと英国ミステリーもない、野球もない、お客さんも来ない、庭仕事もない、何かやることを探さなければ何もないというとき、あと何年こうして生きていくのかなとか、何をしたらいいのかとか、やりかけで残して行っては悪いからとか、いつ訪れるともわからない死を思い、そして体の不安なども思い描かれてしまうと、老人って、少し鬱っぽくなるのですよね。
 人間って、きっといくつになっても夢中になるものがほしいのです。何かに夢中になっているときは心が埋まっているのです。不安の入り込む余地がなくなるのです。
 そうは思うのですが、あまりに独りよがりの話だと、反発したくなって、けんかしてしまうのも事実です。何か、もっと違う興味に誘導できればいいのですが。
 (これ、あとで血圧を測ってみて、ちょっと高いことに気が付きました。私も高かったのです。けんかをしたからではなく、高いからけんかをしたようです。精神状態がおかしいと思ったら、きっと体調も悪いのです。わが家は長野県に習って、減塩します。塩分半分。