本 『バシャール x 坂本政道、人類、その起源と未来』
これは亡夫が買った本です。まだ新しく、読んだ形跡はありませんので、捨てるにも捨てられず、かといって、あまり求められているような本でもないようなので、一応読んでみようかと手に取ったのです。
で、どういう構造になっているかというと、このバシャールという人は、人とも言えない人なのです。このバシャールさんのいう事を、ダリル・アンカという人がチャネリングという方法で伝えるのです。一種の霊媒のようなものだと思います。
坂本さんはそういうことに興味と知識のある人のようで、人間にはわからないことを聞いていきます。
最初は「人類の起源」、星座などに興味のない私は、聞いても分かりませんでしたが、前人類の存在から人類になるまで、こと座、オリオン座、プレアデス、そして、シリウスを経て地球まで変化をしながら、生成されたという事です。
あまりよくわからない世界の話ですが、ただ一つ、私が、ほっとしたと感じたことがありました。それは死後の世界の話です。
『死後はどこに行くの』かという問いに、『元来た様々な星に行ってもいいし、生まれ変わって、地球に戻ってきてもいい。本人の意思次第です』というような話でした。これで、『輪廻』なんかしなくてもいいんだと思ったのです。死んだらどこかの星にふわふわと飛んでいけるのだと想像してしまったのです。
人間って、想像する生き物ですからね。でも、後ですぐに気が付いたのです。これって宗教と同じだと。キリスト教なら天国、仏教なら極楽浄土、昔からそんな世界は想像の世界で作り上げられていたのです。誰も見たことがないのですから、本当かウソかわからない。本当にあるのかも知れない、バシャールさんも言っているのだからと思うか、みんな、頭の中の想像の産物、観念の世界、物理的な世界にはないと思うか。
確かに、あると考えれば、私がほっとしたように、こころが救われる人も多いだろうと思いますが、それはみんな想像の世界、頭の中だけにあると考えるのが妥当のような気がします。頭の中だけで、死者と会話したり、未来を描いたり、私程度の苦労ではその程度でも、十分に救われるのです。
それとこの頃、この歳になって、思うことがあります。天国って、人の心の中、つまり、思い出の中にあるのではないかと。後に残った人たちがこころの中で懐かしがったり、いい意味で思い出したり、ありがたがったり、そうしてくれることが、『天国に住む』という事なんじゃないかと。そのためには、生前に、仏教でいう『徳を積む』事や、キリスト教でいう『愛を育む』事が大事なんじゃないかと。そういう意味でも、『歳をとるということ』は『天国に住む』ための準備期間で、ある友人が言ったように『ギフト』ですね。
で、よくわからないこの本は捨てることにしました。