一期一会
この言葉は昔から知っていました。茶道の人の言葉だったようにも思っていましたが、この歳になると、また違った意味を持ってきます。
つまり、周りで亡くなる人が出てくるのです。先日年下のいとこが亡くなりました。何年か前、母の法事で会ったのが最後です。私はああいう席が嫌いで、それでも弟の手前、いやいやながら出ていたのです。あの時、癌で長く闘病した叔父のことを指して、「お父さんの娘だから」と言っていたようすが思い出されます。彼女は一人っ子で、とてもかわいがられていて、いつも堂々としていました。仲が良かったわけではありませんが、私より一回り以上も若いのになんでかなあとため息しか出ませんでした。あっという間の癌死だったようです。
それから、この頃、あの人はどうしているだろうと気になることがあります。昔よくしてもらって、長電話も頻繁にくれていたのですが、夫が亡くなって以来徐々に電話が来なくなりました。どちらかと言えば放送局タイプの人で、楽しいけれど迷惑なところもありました。
年をとってきて、連絡をする人もなくなると余計気になるものです。でも、気になってもこちらから旧交を温めようとは思いません。ミニマリストには交際費の余裕はないのです。ユーチューブの中で体操の先生とか、ニュースの専門家とか、畑の先達の話を聞いているのがせいぜいです。
そしてこれがメインポイントですが、今、毎日会う周りの人々に、できる限りのよい印象を、つまりハートウオーミングな思いをしてもらうことが一番なのではないかと思いました。毎日が一期一会だと思って。きっとこれが本当の意味なのだと思います。