2024年5月18日土曜日

 不登校と洗脳

 工事期間中に、見たあるテレビ番組で、不登校を経験し、学校ではない受け入れ施設で過ごした五人が、高校課程を終了して、それぞれ進路を決めた理由を語っている場面がありました。

 工事期間中で忙しかったせいもありますが、どこの局のどんな番組だったか、PTSⅮの番組もそうですが、まったく覚えていません。たぶんNHKだったと思って検索で調べてみて、『NHKスペシャル「“学校”のみらい」』だろうと思いました。

 検索した記事には『文部科学省によると、病気や経済的な理由を除き、1年のうち30日以上、学校を休んでいる状況を不登校といいます。

さらに、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいはしたくともできない状況である」として、「不登校を『問題行動』と判断してはならない」と文部科学省は通知を出しています。』2016年のことだそうです。

 遅かったなあと思います。私には間に合いませんでした。私は真面目に学校に行ったのです。そこで基礎的なことも学びましたが、いわゆる「切磋琢磨」を美徳とする競争心も学んでしまいました。『人よりいい大学、人よりいい未来』。

 最近学校の近くを通ると、「○○君、国体○○種目優勝」などと書かれた横断幕をよく目にします。励ましているのでしょうが、これって『洗脳』じゃないかと胸が苦しくなる思いがします。誰もができることではないのに、努力をすればできるんだよとささやいているのです。

 また最近戦時下のロシアで学校教育を使って戦争の正当性を教え込んでいる、子供たちを洗脳しているという話が時々出てきていますが、学校って、そういう教育もできるのです。日本を加害者として教育しているという韓国の教育も時々話題になります。そういう意味では教育は何でもできるのです。

 番組は、その後フリースクールの話になり、更には次のような取り組みにも触れられたようです。

 『子どもが主体の学びづくりを目指して、大きな改革に取り組む山形県の小学校。ここでは授業の2割を、「子ども自身で学ぶ時間」に変えました。ひとりひとりの興味や関心をきっかけに、「自ら学びに向かう力」を育てようとしています。』

 これって私が最近、この歳になって気づいた『自学』のことではないかと思いました。私自身は、あの一貫した学校教育の中で追い立てられるように過ごしていて、自学をする勇気もゆとりもなかったと思いますが、『バカだったんだ』と今になって思います。

 私が見たのは、最初の部分で書いた、不登校になり、いわゆるフリースクールで過ごし、卒業した五人が進路について話している部分でした。皆さんそれぞれ、しっかりした理由をもって進路を決めています。はっきりは忘れてしまいましたが、「これが好きだから」とか「これに感動したから」とかだったと思います。生きていくために自分が何をするべきか、何ができるかを会得していたように見えました。不登校になってまで抵抗する地頭を持っていたから、洗脳されづらかったのではないでしょうか。

 私の時とは全く違います。私は「いい大学に入る」ために一浪したのです。その後の目標は何もありませんでした。バカだったんです。ほかに言いようがありません。

 考えるに、今の私がこれに気づけたのは『ユーチューブで勉強』ができるということがあるかもしれません。本当の社会を教えてくれているような気がします。