2014年5月15日木曜日


メイプルショップに初注文

 これも一大ニュースなのです。一軒目のエブリカラーショップは、芸術、建築、歴史、文学と大項目で、本の量も大量にあるものが中心です。二軒目のメイプルショップは、そこからあぶれてしまったもの、つまり、まとめてもそんなに量のないものが、少しずつ多項目に渡って並べられています。ショップの限度の大きさも、本の量もエブリカラーショップの半分です。
 そこに初注文が来たんです。九月にエブリカラーショップに本を入れ過ぎて、限度を超えてしまってパンクしてしまって、慌てて十月に開いたものです。メインはノンフィクション、ハウツウ本、外国関係の本、旅の本、雑誌、等などで、目立つものも少ないので、余り期待はしていなかったのです。
 それが翌年三月の事です。開店してから五ヶ月目ですね。私が年に一度の『国宝建造物を巡る旅』に参加しているとき、何となく胸騒ぎがしていたのです。『もしかしたら』と気になっていました。
 案の定、帰って来てコンピューターを開けたら、注文が来ていたのです。またまた、『超能力かしら』と驚きましたが、それがメイプルショップのものだったので、更にビックリでした。
 四日間の旅の二日目ぐらいにメールが着いていたので、理由を書いて、遅れたお詫びをし、振込先のお知らせをしました。
 その返信の第一行に『お帰りなさい』と書かれていたのです。感激してしまいました。『世の中にはこんなふうに心のゆとりを示すような対応の出来る人もいるんだ』と思って、わが身を省みて、いつも戦々恐々としている自分が恥ずかしくなりました。
 本は、数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞を受賞した広中平祐博士が、十数人の子どもを育てたお母さんの事を書いたドキュメントでした。家のショップの本は余り読まれていない本が多いのですが、その本は私が拝読してしまった中古本で、私は感想文を本の説明に長々と書いていました。私としては、感動を共有できる事がうれしかったのです。