2015年2月19日木曜日


鈴木清一さんの本

 『祈りの経営 鈴木清一のことば』に注文が入りました。
 二年半ほど前、ショップを開くために本の整理や打ち込みをしていた頃に読んだ本です。読んでしまっててよかったと思いました。
 でも、『やりなさいと言っているのではない、やってきた事を書いている』とどなたかが言っていましたが、ストーリー性が無いので、内容はほとんど覚えていないのです。
 それでも一つだけ覚えているのは、結構長い文章で書かれていたあるエピソードです。
 あるとき、何か工場のようなものを、用地を買って建てようとしていたとき、お隣の工場のようなところに挨拶に行き、そこで挨拶代わりに便所掃除をさせて貰ったという話でした。どんなに丁寧に心を込めて掃除したかが書かれていました。トイレ掃除というのは生活の中の一瞬の事だから、すぐにまた汚れてしまうのでしょうが、きっとお隣さんはその心を理解したと思いました。その、無駄にも見える一瞬一瞬に心を込める事がどんなに大事か、怠け主婦の私としては背中をたたかれたようで、それ以来、できるだけまじめに掃除をするようになりました。
 鈴木さんは宗教を持っていたようです。こんな記述に感動して引用している人がいました。
『拝み合いの会社。ダスキンの朝と夕べは祈りに始まり祈りで終わる。それは人間鈴木清一が、あやまち多く、悩みも深く、弱さ、もろさ、悲しさに祈ってすがってゆきたいから。』
『チャンスをつかむのは自分。中身が本物であれば必ず天の摂理によって素晴らしいものが与えられるでしょうし、自分勝手なものであれば、自分の思うようにはならぬことです。チャンスは自分で創る。』
『出し惜しみ。自由になるお金を損しまいと思って出し惜しみする人は、たしかに損もしないでしょうが、また新しい幸運をつかむこともできない人だと思います。まず、損をするようであっても、相手が喜んでくれるものなら出し惜しみせずに出すことです。捧げることです。捧げることの喜びを知る人間になろう』
『喜びとともに利益を。喜ばれないような利益は利益ではありません。喜びとともに利益が出てくるというダスキンになりたいのです。よい結果が現れてこその喜びです。金はおおいに儲けて下さい。儲かったらこれをどのように喜びに使うかが問題です。』
『祈りの経営 ダスキンの経営理念

一日一日と今日こそは
あなたの人生が
(私の人生が)
新しく生まれ変わるチャンスです。

自分に対しては
損と得とあらば
損の道をゆくこと
他人に対しては
喜びのタネまきをすること

我も他も
(私もあなたも)
物心ともに豊かになり
生きがいのある
世の中にすること

合掌』
 家にあったものは初版のダスキン版で、ハードカバーで何度も開いて見るのに適していましたが、その後、普通の出版社からも出版されたようです。
 成功された方ですが、それに値するような厳しい内省をされていたんだと思いました。