2019年6月12日水曜日

夢中になれる事

 NHKの『駅ピアノ』という番組を時々見ます。NPO法人が駅にピアノを設置しているんです。置いてあるピアノを通りがかりの人たちが弾くんですが、皆さん上手です。インタビューもしている所を見ると、上手な人の演奏を選んでいるのでしょう。
 音楽一家に育ったとか、子供の頃から習ったという人たちもいますが、中には独学でという人もいます。本当に好きなら、きっと独学で勉強するのが正当なのだろうと思わせられます。
 ピアノを弾く理由は様々で、家にピアノが無いから、通勤時間が空いたから、旅行でたまたま来たら、ピアノが置いてあったのでとか。いつも通るたびに弾くという人も多かったような気がします。
 その中の一人が、「弾いていると心が空っぽになる」と言っていたのが、印象的でした。本当に上手で、時間も日常をも忘れて弾いているという感じでした。
 いつも見ている『イタリアの小さな村』でも、同じような事を聞きました。その小さな村で雑貨屋をしている男性は二十代でサッカー選手になり、モテモテだったけれども二十代後半には別の仕事に就き、その後、村に戻っておばあさんの雑貨屋を引き継いだと言っていました。その度に収入は減って行ったけれども、後悔は無いそうです。彼には仕事に対する信念があって、それは『時間を忘れさせてくれること』だそうです。それほど楽しく、夢中になれる事なのでしょう。そうかもしれないと思います。楽しくない仕事は辛いですから。
 例えば私の体操、12分間のシークエンスは長くって、私はいつも時計ばかり見てしまいます。いつか時間を忘れるように楽しくなれるのでしょうか。