2020年2月11日火曜日

老後の人間関係

 『日頃、連れだって談笑する女性たちも、互いの距離の取り方には悩むもの。幸せな老後を送るための人間関係の極意を聞いた。』というキャッチコピーに引かれて、『30代で『女が家を買うとき』で作家デビューして以降、「ひとりの生き方」をテーマに執筆、講演活動を行ってきた私も、70代になりました。』という作家 松原惇子氏の記事を読んでしまいました。
 私も70歳を過ぎて、ほとんど地元に近いところで暮らしていると、あの人もこの人もまだ元気でいるかなとか、同窓会のお知らせに、出なくては悪いかなとか、悩むのですが、幸か不幸か家族が近くにいて、夫もフラフラしているとなると、私は風邪をひく暇もないほど忙しく、お付き合いなど、重荷でしかなくなってしまいます。これ、一人になってしまった人と比べて、私は幸せなんでしょうかね。
 それで、松原氏のいう、軽い人間関係、『互いに名前も素性も明かさぬ理想のジム』で、トレーニングをしながら、おしゃべりをしている人間関係が最適だというお話に、心の底から頷いてしまいました。
 私もときどき、プールに行ったりマッサージをしてきたりしているところがあるのですが、そこで80代の方と、時々おしゃべりをします。私が「70代で孫のお守りは大変だ」と愚痴を言っても、娘たちに聞こえることはありませんし、「70代で、元気に孫のお守りをさせてもらえることは幸せなことよ」と、人生経験豊かな彼女に教えを受けます。それでいて私たちはお互い名前も知らないのです。そこで時間が合って、出会った時だけの友達です。とても幸せな楽しい時間だけを共有しているのです。
 また、『ランⅩスマ』で80代のフルマラソンの世界記録保持者の女性が出ていましたが、「私は若い時、いろいろ苦労をしたので、今が青春だと思っている」と言っているのを聞いて、これも私と同じだと思いました。彼女もまた、四つのランニンググループに入っていても、もう年代的に違うので、深いおつきあいはしないで、85歳以上の世界記録を塗り替えたいという目標をもってやっていると言っていました。
 この歳になったら、お付き合いは自分本位でいいのですね。
 そういえば、何かと批判の多かった野村沙知代さんは、いつも「大丈夫よ」と野村監督を励まし続けたと書いてありました。最後の言葉も「大丈夫よ」だったそうです。今日、野村監督の訃報が伝わりました。あの二人を見ていると、『自分たち本位がいいのだ』と羨ましく思います。