2020年6月2日火曜日

正体見たり

 以前から葬式はいらないと公言していて、火葬して海にまいてくれと言っています。でも考えてみれば、我が家では私が一番元気ですから、みんなの後始末をしなければならないのは私かもしれません。
 お葬式などの正体は以前から見ていた気がしますが、今回のコロナ騒動で、さらにいろんなことを考えてしまいました。
 例えば、写真、昔は貴重で大事にとっておいたものです。今はいくらでも撮れるし、取っておいても結局誰も見ないのです。何十億分の一の人間など結局誰も知らないのです。
 そして、明日の未来もわからない難民を生むこの世の中、果たして生まれてくる価値があったのでしょうか。
 『百日で死ぬワニ』という漫画が今話題なのだそうですか。私は見ていないのですが、「あと何日だからこれをしよう」と優先順位を決めて生きられるらしいですよ。結局、人間も死に向かって生きているのですよね。死を回避することはできないのです。そう考えると自ずと優先順位が決まって来るような気がします。
 難民を救うことのような大きなことはできませんが、せめて周りの人たちや家族がやすらかに息をしていられるように、頭と体を使おうと思います。
 若いころからそうしていれば、そういうことが分かっていればと思いますが、若いころの自分を振り返ってみても、本当に分かっていなかったのです。だから、恥ずかしい、生きづらいのですね。
 あと何日あるかはわかりませんが、そんなに長くはないでしょう。
 それと、生きるということは暇つぶしだと言った人がいたような気がしますが、この頃、確かにそう思えてきました。好きな英国ミステリーを見ながら過ごすのも数時間、家族のために食事を整えるのも数時間、草を取るのも数時間。孫のお守りも数時間。一生懸命すればあっという間に過ぎてしまいます。そうして死に至るなら、未来など見据える必要はないのです。これが人生の正体だとこの頃特に思うのです。