2022年3月6日日曜日

 映画の話 黄金のアデーレ 名画の帰還

 これは正真正銘、イギリス映画だと思います。B B Cフィルムと最初に書いてありましたから。それに主演はあの『第一容疑者』のヘレン・ミレンでした。

 彼女について、最近記事を見たのです。『(2月)27日(日)にロサンゼルスで開催される全米映画俳優組合(SAG)賞で同賞(功労賞)を授与されるヘレンは、自身の輝かしいキャリアにもかかわらず、そのような栄誉に値するとは思っていないと明かしている。』と書いてあったので、この映画は彼女を称える意味で、gyaoが配信したんだと思っていました。

 でも、中身を見始めると、プーチンさんのウクライナ侵攻の恐怖を警鐘するためにgyaoが選んだのかなと思えてきました。

 ネタばれになってはいけないのですが、私がそう思うのは、彼女の演じるマリアの生い立ちからです。彼女はオーストリアに住んでいました。成功したユダヤ人の一家で豊かに暮らしていたのです。一家は音楽にも絵画にも造詣が深く、子供のいない叔父夫婦と両親、姉とみんな一緒に住んでいました。伯父は画家クリムトに、伯母のアデーレを描かせ、家に飾っていました。それが、「ウーマンインゴールド」という金箔張りの豪華な絵でした。

 時代は第二次世界大戦の時で、オーストリアはすぐにナチスドイツに併合されてしまい、ユダヤ人はすべてのものを略奪され、連れ去られました。

 彼女は運よく、声楽家の夫とともに逃れて、アメリカに住んだのです。

 核心の物語は、彼女が63年後にその絵を取り戻すというものです。どうも実際にあった話のようです。

 もう一つ、ソフィア・ローレンの『ひまわり』も、gyaoで配信していましたが、舞台はウクライナだそうです。ソ連侵攻に派遣されたイタリア軍の兵士が雪の中ふらふらになりながら撤収してくるところです。

 あの辺りにはひまわりの畑があるんです。ウクライナ侵攻の動画で、ロシア軍の兵士に「何しに来た」と詰問していたおばさんが、「ひまわりの種をやるよ。あんたが死んだらそこにひまわりの花が咲く」と言っていたのを思い出しました。

 プーチンさんもヒットラーも一度戦争を始めてしまうと、もう収められなくなってしまうのでしょうね。ウクライナの国連大使が言ったように、「自殺するなら、地下室でどうぞ」ですね。