かわいそうなわが家のサツマイモたち
おととし、わが家の狭い庭の隅に、サツマイモがつるを伸ばして、『お、これは』と強欲な私に期待を抱かせました。生ごみを埋めた場所ですから、生ごみの中に私の好きな『紅あずま』の切れ端がはいっていたのでしょう。蔓を伸ばしてはいましたが、少し遅かったので最初からあまり期待はしていなかったのです。それでも、秋になって掘り上げたとき、いもの影も形もなかったことはさすがにショックでした。
だから今年、私のお気に入りの『紅あずま』の端っこを小さな畑の真ん中に、何個か埋めたのです。それらから上手く芽が出ると、今度は欲を出して、わが家で一番大きな植木鉢に何個か埋めました。ユーチューブで、袋栽培でサツマイモを大量に収穫した話をしていたのです。三回目は少し土を盛ってあるところに数個植え、他の野菜と一緒にたっぷりと水をやり、今年買ってきた化学肥料も数回施し、これで大収穫のはずだったのです。
つるは伸び、葉は生き生きと四方八方に伸びていきました。あまりの勢いの良さに、来年はこれでグリーンカーテンを作ろうと来年の夢まで見ていました。もちろんユーチューブも時々見て、つるの勢いがよすぎると「つるボケ」という現象が起きる、「つる返し」という作業をするといいと言っていたので、お隣に行きそうな蔓を時々内に戻しました。九月の末には「試し掘り」をすると言っていたので、勿論やってみました。残念なことにまだ根っこの状態でした。「今年は暑かったから」と言い訳をかんがえましたが、不安は残りました。 いよいよ、10月も後半に入り、ユーチューブでも、芋ほりの話題がいくつか出てきて、『ひろちゃん農園』ではあまり太った芋はできなかったようでしたが、他のユーチューブでは大きくなりすぎて、「もう掘らなくては」と焦っていました。
ちょっと不安がよぎったのは、どちらの畑も土が固くって堀づらそうでした。わが家のはふかふかの土です。
そして花火の日も近づいたある日、孫たちも喜ぶだろうと掘る決心をしました。まず最初に植木鉢をひっくり返してみました。芋の形さえありませんでした。あんなに蔓が伸びていたのに。少しは形が欲しいと思って、最初に植えた場所を掘り返してみました。これも同じ。細い芋とも言えない芋が数本。最後にちょっと高くしてあった場所を掘ってみると、ここにはやっと芋と呼べる代物が数本。考えるにほとんど全滅でした。
あとで、いろいろ見てみると、サツマイモには水と肥料はいらないのだそうです。一番ほったらかしでもできる作りやすい作物なのだそうです。
来年は今度こそリベンジの年です。大量に出た蔓の残渣をたい肥にして、もうどこに植えるかも決めています。