2012年10月26日金曜日

夫はコレクターまがいだったのです

  一度便器を集めて来て、敷地の空いているところが便器だらけになっていたことがありました。ですから、手軽な本などはいくらでも買ってしまいます。しかも読まないのです。
  書斎はありますが、どんどんどんどん膨れて行って、家中書斎になってしまったこともありました。それである時、「どうしても一部屋開けてくれ」と談判して、元の書斎に閉じ込めようとしましたが、入り切らないのです。さすがに諦めて夫は「古本屋さんに来てもらって本を売ろうかな」と言いました。それでいくらになったと思いますか。トラック一台半、30万円以上になったのです。入院費用が賄えました。
  今私が扱っているのはその残り物です。それでも一部屋あるのです。その中から、「読まない」と言ったものを拾い出して来て、ほこりを拭い、おもてと中身を調べて、どんな本か,誰が書いたか、特徴を書き出します。それからアマゾンで値段を調べて,中間より少し高めに設定します。何せ、ほとんど未読なのです。コレクター商品と言ってもいいのですが、そこまで自信はありません。
  それからやっとスキャナーで写真を撮ってショップにアップするのですが、ある日、ハタと気がつきました。『お客さんはなぜウチの店がアマゾンよりちょっと高めなのか分からないだろう』と。私がここでいくら、読んでないし、レアものだし、きれいなんだと強調していても、写真はアマゾンの方がきれいなんです。
  それで、ショップの説明のところに、ちょっと高めの理由を書いておかなければならないと思いました。まさか『コレクター商品』とは書けません。それほど丁寧に仕舞っておいたわけでもなく、それほど値段を高くしてもいないのです。
  アマゾンに出品しているお店は、『経年劣化あり』とか『書き込みあり』とか、『傷あり』とか、状態を詳しく書いていました。それで値段を決めているようです。私も考えました。『きれい』というのは私の主観ですから、人は違うふうに思うかもしれません。それで、『誰も読んでいない』という事実をふまえで、最初『未読』としましたが、でも考えてみれば、私が特徴を書き出す為にパラパラと中身を見たのです。夫も買ったときは、さすがにパラパラとは見たと思います。それでも誰かが読んだという痕跡はありません。開いたあとがついていないのです。それで、『未使用』と書きました。再度ショップを開いて最初から一つ一つ引っ張り出し、この文字を入れて行きました。
  これで少しでも、商品の良さが伝わればと思います。勿論、汚れなどのあるときは、『経年劣化あり』とも書き入れました。