自費出版
写真の豊富な夫の本と違って、私の本は文章だけですから、安くできるだろうと考えたのです。それで、一番安いと言われる印刷製本屋さんのページを検索しました。ところが、何度見てみても、高いのです。
100部で10万円といったら、一冊千円です。私は一冊千円で売りたかったのですが、それで原稿料も、販売手数料もと思うと、500部以上作らないと採算が合わないのです。私の本なんて、10部売れれば充分と思っていましたが、10部だと一冊あたりがもっとずっと高くなってしまいます。大変な誤算でした。
その後、コンピューターに詳しい友人に、その事を話す機会があって、聞いてみましたら、その方は、ちょっとした冊子なら自分で手作りすると言っていました。つまりこの間の房総旅行を企画した方ですが、その時私達に見学先の冊子式のパンフレットを作ってくれたのです。A4版の薄い冊子でしたが、確かに本の体裁をしていました。40部作ったのだそうです。
その時、手作りの仕方を教えてくれましたが、素人は一度聞いても覚えられません。そこはネット検索とばかり、調べてみましたら、ありました。まだはっきりと印刷製本の道筋が判ったわけではありませんが、30部、これにしようかと心が動きました。
私は洋服も手作りするくらいですから、割と器用なのです。手本とする本はたくさんありますし、機器類も、インクジェット、レーザーの両プリンター、古いですがコピー機、等、ありますから、『何とかできる』と踏んだのです。これもチャレンジです。
でも、一晩寝床で考えました。コピーというのは普通一枚八円です。200ページの本なら、コピー費だけで一冊千六百円です。そこまで考えると、素人の手作りは意外と高くつくのかも知れないと思えました。
それでも、一冊だけは作ってみようと思います。印刷製本を頼むにしろ、見本があった方が便利ですし、本作りの基本的な用語や工程を知っておく事は、人に頼むときでも役に立ちます。その印刷製本屋さんのホームページを見るだに、使われている用語が全く判らず知識のなさが思い知らされているのですから。それに、紙質等も自分の目で見て、手で触ってみなければ判りません。
うまく行ったら、いつか印刷屋さんに頼んで、ちゃんとした本を作り、ショップに並べようかという所まで思いは進んで行きました。