2013年11月3日日曜日

前に進むのが恐怖 

 時々、こんな事を感じる事があります。心が立ち止まってしまって動けなくなるのです。一種の鬱でしょうか。
  チャレンジという表題通り、今しているネットショップ、エブリカラーはすべて初めての事ばかりなんです。一歩一歩、未知の山へ踏み分けているのと同じなのです。
  注文の来ていないメールページを開けたときは淋しく感じますが、いざ、注文が来ていると、今度はドキッとして、家中に『きた、きた』と触れ回ります。口に出して家族に伝える事によって、家族の承認と応援を得たような気になって、どこか安心するのです。どこかに、何かをするという恐怖感があるのです。
  古物商の許可を取るという項目が、なかなか踏み出せなくて、六月末から開いたショップ、エブリカラーに、新刊の三冊しか並べていないときが、二ヶ月も続きました。やっと、九月になって、自分で自分のお尻を叩きながら警察署に行ったのです。前に進むという事が、心理的にこんなに大変なものなのは私だけなのでしょうか。
  注文が入ると、すぐに商品を見つけて、返事を書き、緩衝剤でくるんで、発送の準備をするのですが、一つ一つ確認しながら進めている行程のどこかで、お金を貰うという後ろめたさを感じているのです。まさに、吉江氏の言われた『お金を貰う後ろめたさ』です。だって、労働をボランティアで提供している人もいるのです。家にある古本はもう、読まれない本なのに、それに値段を付けて売るという事に、どこかあさましさを感じてしまいます。軽蔑されているかも知れないという思いが頭をよぎる事もあります。気弱になって『もう止めてもいいかな』という気が頭をもたげる事もあります。
  そんな時、「いけしゃあしゃあとやれ」という吉江氏の言葉は背中を押してくれますが、それでもときどきは心が立ち止まってしまいます。それを、今度は家族の励ましが後押ししてくれるのです。『ここまで来たのに止められない』と思わされます。これが社会の一員として生きるということです。
  等といい子ぶっていますが、これでも随分と商人らしくなりました。レア本には高い値段を付け、自分の本を作って売ろうとまで考えているのですから、厚顔も甚だしくなって来たのです。まだまだ引き下がりませんよ。後にはこの『チャレンジ』という壁があるのですから。壁を背負って立っているのですから。目の前の課題を一つ一つ征服して行くしか無いのです。