2017年2月23日木曜日

『小さな村の物語 イタリア』の話,再び

 BS日テレのこのシリーズを、毎回ではないにしても楽しみにして時々みています。この間は散歩に出て野生のアスパラをとって来て,茹でて食べていました。こういうところにも,村育ちの私は共感するところがあるんですが,そればかりではありません。
 制作は日テレと書いてありますが,実際どこで作っているのでしょうか。毎回、二組くらいの,たいてい人生を半分以上生ききった人たちを主人公にして、その人たちの生きて来た歴史的背景とか,信条とかを,語らせたり,映像化したりして、なるほどと心情的に入って行きやすい構成になっています。
 例えば,あるとき,長年独身で暮らして来た鉄道マンが引退して村に帰って来て,認知症のお母さんの世話をするシングルマザーと再婚し、一緒に介護します。なんて物好きなと最初は思うのです。でも,鉄道マンのお父さんは長年この村で一人で暮らしていたのだそうです。やがて体調も悪くなるでしょう。そんな時,シングルマザーだった彼女が買物をしたり,話し相手になったりして,押し付けがましい訳でもなく,陰に日向に支えていてくれたのだそうです。なるほどと思わされます。
 また,昨日のアンコール放送は、養女を貰った夫婦の話。お父さんは貧しくて若くしてシチリアに出稼ぎに行って,それきり,母が亡くなるまで,帰ってこられなかったという話。養女をかわいくて仕方がない様子。
 もうひとつは,16歳と19歳でできちゃった結婚をした幼なじみ夫婦の話でした。25歳と33歳でレールの上に乗せられるように結婚した私達には想像もつかないようなお話です。さすがに周りは大騒ぎしたようでしたが,夫は言います。彼女と一緒にいたかったのでがんばったと。こういう時いつも思うのですが、学歴、関係ないですね。二人の子供に恵まれ,若かった夫は一生懸命働き,互いの両親の老後の面倒も見て,もうすぐ50年。おいしい料理を作る妻と,仕事を引退してから、畑を耕し,薪を作り,家庭を維持する夫は、毎日二人で散歩をし,まだまだ新婚のようでした。
 時々は若い人たちの話も出て来ます。そこに独身の人たちも出て来ます。まあ,そういう人たちを選んでいるのでしょうが,それぞれが信念を持って生きているのです。例えば,教師とか,ホテルのオーナー、シングルマザーでがんばっている人もいました。結婚はチャンスがあればという感じで,人生を楽しんでいます。独身の娘のいる身としては,考えさせられます。結婚は人生を生きる上で,メインじゃないということを。本人が選ぶことだということを。
 そういうわけで、この物語は人が生きている限り,永遠に続くのでしょうが,人の生き様を見せてもらえるというのは、自分が生きる上で勉強になることです。