2017年2月9日木曜日

ひとり

 90歳を超えた橋田壽賀子さんがインタビュー番組に出ていました。橋田ドラマをそんなに見ている訳でもないのに,ほとんどのドラマを知っているから,まさに私の時代の第一人者だったのです。
 その橋田さんが,『いざとなったら,スイスに行って安楽死を選ぶ』と言っているという記事も読んだことがありました。
 今回はそんな橋田さんが,日常を語るという構成でしたが,熱海にお住まいで,足取りも軽やかに,海辺のあたりを散歩しながら,自宅の下にある豪華なゲストハウスも見せてくれました。
 その中で,インタビュアーの国井さんと風吹さんが、「お一人でさみしくないですか」と質問していたときに,「全然,寂しくありません。かえって気楽です。一人っ子でしたし,ひとりで生きて来た時間が長かったので。」と答えていたと思います。
 私,橋田さんの自伝的ドラマというやつを,朝ドラでしたが,見たことがありまして,確かに一人っ子でした。でも,お母さんや身内の方も、それから,独り立ちしてからはお友達も,40歳で結婚したご主人もいたのですよね。でも,ものを書いていると,そういうつながりはお話のモデルにはなっても,日常では煩わしいのでしょうか。
 私はありとあらゆる身内に囲まれて,煩わしいと思う時もありますが,これで一人になったら,それも寂しいだろうなとも思います。その時が来てみないとわかりません。
 橋田さんは,ご主人が亡くなって,28年になるそうですが,寂しさを通り越したのでしょう。お墓も,一人だそうです。