2017年7月22日土曜日

年上女房
 私の生まれた村で、むかしむかし聞いたような気がするんです。『一つ年上の女房は、金のわらじを履いて探せ』。
 他では聞いたことがないし、私も年頃には年上の男性しか意識していませんでした。子供のころに、そんな金言を聞いていたのになぜなんだろうと今になって思います。
 それというのも、オールド『カープ女子』の私は、時々、選手の皆さんの結婚のニュースを目にしたり耳にしたりしますが、年上女房が多いのです。梵選手や黒田選手もそうらしいですし、最近では薮田投手が一つ年上の大学の先輩と結婚、今年は大活躍です。他では、今江選手が家族でテレビに出ていましたが、年上の美人でした。一般にスポーツ選手には年上女房が多いようです。
 では、私の身の回りではと見まわしてみると、ほとんどが年下女房です。『なぜかな』ですよね。
 最初は、『源氏物語のせいかな』と思いました。あそこに光源氏が幼い紫の上を理想の女性に育て上げて、やがて妻にするという図式があって、みんなそれに影響されて、年下女房を選ぶのかしらと思ったわけです。
 でも、今、若い人たちが結婚しない、できない状況を見ると、経済的な要因も大いにあるなと思いました。私たち団塊の時代は、普通の男性が経済的な足場を固めるのにそれなりの時間がかかるわけです。ある程度固まると次々に結婚して、それが30代前半ころ、反対に女性は、高校大学を出て、一、二年後には適齢期、仕事は一生やるものと思っていた人はよほど自覚のあった人でした。それで結婚すると二十台前半。私などまるでその図式の中でした。今はこの図式が崩れてしまったと考えると、若い人たちは図式のない社会に放り出されているということでしょうか。
 で、また年上女房に話を戻しますと、スポーツ選手たちは、若いうちに足場ができるのです。だから、結婚相手を求めるのですが、彼ら自身が、スポーツという社会の中で戦ってきているので、世間知らずの紫の上では同士として物足りない、頼りにならない。ある程度、社会で戦ってきた女性と話が合うことではないでしょうか。
 今の時代、戦っている男性と、同じように戦って、世間を知った女性は年齢を重ねてから結婚する可能性も大いにあると思います。出生率の改善にはなりませんが、年齢に関係なく、個人の幸せにつながっていくのであればそれでいいのです。