2017年12月1日金曜日

私のあの帽子は


 急に寒くなった今年、急いで冬物を出したのですが、どうしても冬の帽子が出てきません。何度も同じ箱をひっくりかえしては「ない、ない」を繰り返していました。
 何度目かに洋服ダンスの中を探していた時、真黒な帽子が目に留まりました。それは何年も前、私がニットの生地で着やすいロングの喪服を作ったときに余り布で作ったものでした。その帽子はニット生地だったせいもあって、実によくフィットしました。
 『無いならこれでもいいか』と出してきて洗いましたが、黒は家族に評判が悪かったのです。そこで、これと同じようなものを作ればいいと考えて、暇な私はまたリフォームで忙しい日々を送ることを考え付いたのです。
 早速、前回の型紙を探しましたが、見当たりません。これもあちこち探した後に、諦めて、黒の帽子から測ったり写したりしながら型紙を作りました。布は? 小さくて着れない昔のスカートが何着かありました。と考えて、引っ張り出してきたのが4枚。それと二重になっている厚手のエリマキ、これで五個はできると裁断に取り掛かりました。
 帽子はカーブが多いので、縫うのは大変でした。ま、そこはいい頃加減の私ですから、適当に押っ付けました。
 接着心を入れたので、出来栄えはなかなかでしたが、アイロンづけのこの接着心の着きが悪いのです。これは失敗。洗濯ができない。でも考えると、夏の帽子なんかほとんど洗えませんから、一冬、二冬持てばいいかと考えました。余った布でリバーシブルのを一個作りましたから、全部で六つ。元となった黒い帽子も入れると七つ。並べてみると、実に壮観な眺めです。思わず写真を撮ってしまいました。
 それでも頭は一つしかないんですから、どうしようと考えてしまいました。よくよく考えて、色の違う三つくらいを出しておいて、あとはまた洋服ダンスの中に入れておこうと思いました。
 それにしても、私のあの冬の帽子、どこに行ったんでしょう。