2017年12月8日金曜日

私には何ができたのだろう。

 『山女日記』を一度だけ見ました。湊かなえさん作の漫画をドラマ化したもののようです。それは山岳ガイドになった女性が、山岳ツアーを引率して山に登り、その都度都度でドラマがあるという設定のようでした。
 「山の仲間は家族と同じ」というセリフにも感動しましたが、それよりも、気になったのは山岳ガイドという職業でした。いわゆる、好きなことを仕事にした女性の話ですよね。
 私、来年70歳になるのです。私、職業として、何にもなれなかった女性です。大学時代の友人には、職業を選んで全うした女性もたくさんいました。その引け目が同窓会に行けない、行かない理由かもしれません。
 今でも考えるのです。私には何ができたのだろうかと。
 山女は無理です。運動神経が悪かった。体形が肥満だったせいもあって、一度も山と言われる山に行ったことはありませんでした。
 専攻の英語、生半可で使い物にならなかった。突き進んで極めるよりは、できないことが恥ずかしくって、逃げました。
 文章、好きで、小説も何度か試みましたが、のめりこむ事はできませんでした。忙しさを理由にしましたね。
 スポーツ選手はあこがれますが、自分を鍛える根性はなかったと思います。体型を整えることさえできなかったのです。
 要は根性なしと甘えが肥満の私という人間のすべてだったような気がします。
 でも、未来も少なくなったこの歳になると切実に考えるのです。私には何ができたのだろうかと。この先何ができるのだろうかと。
 少なくとも、人にやさしくできるように心がけようと思います。ヨガやピラティス等を毎日続けるようになって一年、呼吸が深くなったせいなのか、怒りを覚えることが少なくなった気がします。
一言が抑えられるようになり、その分、人の心を穏やかに受け止めることができるようになった気がします。
 これを続けて行けば、私にもできることが見つかっていくような気がします。やっぱり、体と心は表裏一体で、両方が健全でなければいけなかったのですね。この歳になってわかりました。