2019年1月16日水曜日

サピエンス全史の話

 読んだわけではありません、NHKで2019年のお正月に見たのです。実際は2017年の作品の再放送だったようです。世界中でベストセラーなのだそうです。
 イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏が書いた本で、続編に『ホモディアス』というのがあるとそれも再放送されました。
 世界中の人が共感しているというのですから、こう考えている人は多かったのでしょう。
 私から見ると、人類滅亡の預言書といった感じでした。
 中でも、自分と引き比べて、なるほどなと思えたのが、ネアンデルタール人とホモサピエンスの違いでした。ホモサピエンスは虚構を作り出す能力、それを共有する能力があったのだそうです。宗教、貨幣経済、法律などです。ネアンデルタール人は体も大きく、強健だったにもかかわらず滅んでしまったのは、きっと結束ができなかったのでしょう。昔読んだ、ハリーポッターに出てきた巨人族を思わせます。作者のローリングさんは知っていたのでしょうか。
 で、その前に、やはりテレビ勉強で見た、「ネアンデルタール人は滅んでいない」といった趣旨の番組を思い出しました。ネアンデルタール人の遺伝子はまだ人類の中に残っているのだそうです。
 で、私、ネアンデルタール人の遺伝子を多めに持っているのじゃないかしらと思ったのです。サスペンスやドラマは好きだけれど、宗教、経済は言うに及ばず、法律などは大学で憲法の単位を落としたくらい苦手でした。今でもそうですが、社会に適応するのは苦手です。ムムムです。
 ホモディアスのほうの番組では、「これから、人間は神になる」というテーマのようでした。 
 以前、『これからの人は得意分野を持たないといけないから、勉強することがたくさんあって大変だろう」と書いたことがありましたが、私にも、その予兆は感じられていたのだなと思いました。
 つまり、遺伝子の書き換えやロボット技術の発達で、人間は不都合なものをどんどん取り去っていつか永遠の命を獲得するだろうというのです。しかもそれは頭脳とお金のある一部の人間だけで、そのほかの取り残された集団とは別れるだろう。この二極化は過去の進化のように長い年月をかけるということはなく、極めて近い将来に起こるだろうというのでした。
 確かに、もうすでに初期段階と思える貧富の二極化は目に見えてきています。ヨーロッパのどこかの国の人が言っていたように、国の富をみんなで分けるというようにはならないものでしょうか。欲望というのも空想の産物なのでしょうか。確かにこれは私が歳をとって、弱者になったから思うのかもしれませんが。
 これをNHKがお正月に再放送したということに何か、恐怖めいたものを感じます。