2019年1月23日水曜日

国民ボランティア賞

 尾畠春夫さんがスーパーボランティアと言われ、その活躍が流行語大賞にノミネートされたと話題になりました。今は野宿の旅をしながら世界の子供達の幸福を思う旗を立てながら、歩いているようです。まるで神様みたいにみんな感動しているのです。無感動な私でさえ。
 だから、みんな何かをしてあげたいのですが、何も出来ないから、他に何にも見つからないから、せめて流行語大賞でもと思ったのではないかと思いました。
 政府には国民栄誉賞というのがあって、長島さんや松井さんや王さんや有名なスポーツ選手がいっぱい貰っています。国民に感動を与えたからというのがその理由ですが、何かうさん臭い、政権が有名人を褒めることによって票を稼いでいるようにしか見えないのは私だけでしょうか。
 ノーベル賞には学術賞の他に、平和賞があって、平和賞だけノルウェーだかで別に授賞式が行われるのですよね。この間、なんでかなと考えたことがありました。学術賞の場合、功なり名を遂げた学者さん達が盛装して参加するのです。でも、平和賞の方は余裕のある人たちとは限りません。この間は性被害者の支援活動をしているアフリカのお医者さんでした。尾畑さんではありませんが、ボランティア活動をしていたら、お金の余裕なんか生まれません。賞金が出るとはいえ、ノルウェーまでいくのさえ大変です。だから別にしているんじゃないかなと思ってしまいました。
 だから、金持ち組の国民栄誉賞とは別に、国民ボランティア賞があってもいいのではないかなと思ったのです。
 この間、村木厚子さんがNHKの番組に出ていましたが、今、定年退職して、性産業に落ちかねない少女たちを救うボランティア活動をしていると言っていました。あの厚生労働省の冤罪事件で無罪を勝ち取って有名になった官僚の方です。
 加計問題で有名になり、毀誉褒貶相半ばする前川喜平さんも退官後、『週に1回、厚木市と福島市で自主夜間中学校の講師として活動している』そうです。在職中、出会い系バーに行ったこと等で、政権からとことん敵視されていましたが、性産業に落ちてしまった女性を助けていたようです。
 折しも巷では、ミルクを買うことの出来なかった母親が生後一ヶ月の赤ん坊を衰弱死させてしまったというニュースが流れていました。以前『この国は恐ろしい国』という本を読みましたが、思い出してしまいました。
 結局、面倒なことだし、世間体もあるし、お金もかかるし、そんなことを考えると手を出したくはないけれども、誰かが手を差し伸べなくては助からないことはたくさんあるのでしょう。活動をする皆さんは勇気と愛情があるのです。
 国民ボランティア賞の候補者は大なり小なりいくらでも上がってきます。これは、感謝を示したい私たち市井のものの気持ちです。