2019年3月7日木曜日

村上加奈子さん

 フィギアスケートの村上加奈子さんが競技を引退して、バラエティ番組に出るようになりました。そこで先輩のスケーター達が、「選手でいるより今の方がずっと向いてる」と口々に言っていました。『確かに美人だし、タレントさんの方が向いているだろう』と私も思いました。
 でも、それが理由ではなかったようです。あの有名な山田満知子コーチにも「あなたは向いていない」と言われたそうです。
 つまり闘争心がないという事のようです。本人も言っていましたが、一つジャンプが成功すると、「やった」と感動してその後の演技を忘れてしまうという事でした。つまり、感情が豊かで感動しやすい人柄という事でしょうか。
 ここで黒田選手の話に行ってしまうのですが、お父さんは元野球選手、お母さんは元オリンピック選手だったらしい黒田選手は両親からとても厳しく鍛錬させられたようでした。高校生のとき、何かうまく行かないで、友人と二人、「グランドをいいというまで走っていろ」と監督にいわれて、走っていたら監督が忘れて帰ってしまったそうです。心配した友人のお母さんが二人を連れて帰って風呂に入れ、夕ご飯を食べさせ、黒田選手のお母さんに電話をしたそうです。黒田選手のお母さんはお礼の言葉とともに、「食べ終わったら、博樹だけはグランドに戻して欲しい」と言ったそうです。 
 『闘争心って、そうやって培って行くんだろうな』と思った事を思い出します。そうやって培われた闘争心と努力と人より少し多めの才能と運が人生を成功に導いて行くのだろうなとは,今はわかるのですが。
 もう一つ、黒田選手とお母さんのエピソードを。お母さんはガンで割り方早くに亡くなったのですが、病院のベッドで,黒田選手がジャイアンツを一対0で完封したのを見届けて、『博樹にありがとうと伝えて欲しい』と言ったそうです。それはそれで幸せだったと思うのですが。
 結局、『すぐあきらめてしまう』性格で、何者にもなれなかった私が、終わりの時を意識するようになるこの歳で感じる生きるという事は『楽しく生きられればいい』なのです。
 『イタリアの小さな村』では、町で働いて定年を迎えた人たちが村に帰って来たり、牧場や農場をやりたいという若い人たちが協力して村の生活を成り立たせていたり,家族が昼ご飯に集まって来たり、みんな楽しく生きているのです。何者にもなれないけれども、この幸せなら私にも手が届くと思って、この頃、毎週日曜日に家族を招集して夕ご飯を作っています。
 一つの道での成功者にはなれなくっても、きっと、それぞれに幸せはあるんですよね、加奈子さん。