2019年7月23日火曜日

私が朝ドラを見なくなったわけ

 ドラマ好きの私は朝ドラが大好きだったのです。二、三年前までは毎朝、日課のように見ていました。
 その時間帯に、お隣のおじさまが出てきて畑仕事などをしていると、おじさまはどうして見ないのだろうと不思議に思ったものでした。戦前、イギリス人女性が日本に嫁いできて、一度も帰らなかったという『マッサン』などは感激して見ていたのです。
 それが、『まんぷく』もそろそろ終わりに差し掛かったころ、『本当の話』というのがネットに続々と出ました。日清食品の創業者の話なのだそうです。その方は百福さんという台湾の方で、そのころ台湾を支配していた日本に来て働いていた優秀な人だったようです。でも、彼には故郷に残してきた妻子がいたのです。彼は日本で、同じ台湾出身の女性と重婚して子供さんもいたみたいです。その頃、台湾の結婚制度は随分と緩やかだったようです。
 そして戦中戦後、二番目の奥さんは台湾に帰ってしまい、残った彼は、日本人の安藤さんという方と結婚して安藤百福さんになったわけで、その日本人の奥さんがドラマの『福ちゃん』だったわけです。
 そんなこと一言も言っていませんでしたよね。書下ろしのドラマだからと言われれば、そうかもしれないと思って見るのですが、モデルがいると言われれば、真実に近いだろうと身を入れて見てしまいますよね。何かひどく裏切られた感じがしたのです。
 『朝が来た』も実在のモデルがいましたが、彼女の場合は最初の設定からして、全く違っていましたし、明治のころで、時代感覚がまるっきり違っていましたから、なんとなく受け入れられたのですが、それでも、違和感はありました。
 いっそ、モデルがいるなんて言わないで、『おしん』のように歴史民俗を踏まえて最初から作り上げてくれれば、違和感なく楽しめたような気がします。