2021年9月5日日曜日

 本、『黄色い部屋の秘密』ガストン・ルル―、木村庄三郎 訳,

昭和41年角川文庫

 これは夫の本です。夫は若いころ推理小説が好きでたくさん読んだようです。あまりに古いので、敬遠していましたが、これは、この間文化論を読んだ、木村庄三郎氏の翻訳なので、ついに手に取ってしまいました。

 まず、ガストン・ルル―ってどんな人だろうと、ミステリアスな好奇心が湧きました。で、ヤフー検索。

 『Gaston Leroux, 1868年5月6日 - 1927年4月15日)は、フランスの小説家、新聞記者。フランス推理小説創成期においてモーリス・ルブランと並ぶ人気作家だった』。『オペラ座の怪人』の作者だそうです。百年前の人ですが、このころの人は早死にで、これだけ活躍しても五十八歳で亡くなったそうです。両親も早く亡くなり二十歳ころには弟妹を養っていたみたいです。尊徳さんと同じです。

 同様に、この前は調べなかった木村庄三郎氏のウキペディアも見てみました。そこで最初に見つけたのは、西洋学者は同音異字の『木村尚三郎』氏で、同音同字には相撲の行事の『木村庄三郎』もいるということです。調べてよかった。大恥でした。で、ご本人は『木村 庄三郎(きむら しょうざぶろう、1902年8月10日 - 1982年1月10日)は、日本の翻訳家』。戦後たくさんのフランス文学の翻訳をされたようです。

 この推理小説は大変有名で、多くの人が翻訳しているようです。訳者は元は小説も書いた方のようでそのせいか、文章は手慣れた感じで、翻訳ものにしては読みやすいです。ストーリーも煩雑ではなく、『謎』が中心で、追いかけていく感じです。さて、どうなっていくのでしょう。

 隙間時間を利用しながら、少しずつ少しずつ読んでいったのですが、言葉巧みに引っ張る、引っ張る。十八っ歳の新聞記者は頭脳も言葉も巧みです。 

 作者は弁護士の資格を取ったようですが、飽き足らず新聞に記事を書いていて、そこから作家になったようで、これが最初の作品のようです。

 結局、真ん中くらいで結末を予想したのですが、全くのはずれでした。

 私は推理小説は本当は苦手で、せっかちなせいで、普通は真ん中まで読んだら、最後のページに手をかけているのですが、これは最後まで追いかけながら読むのに精一杯でした。でないと、鍵がどこに出てきたかわからなくなってしまいそうなのです。

 ネタバレにならないようにこの辺でおしまいにしますが、それなりに面白かったです。