やせがまん
『追悼・山本圭さん 共演した羽田美智子が偲ぶ「自分に厳しく、人には甘く優しい人」』という記事の中で、『女房が病気ということは言いたくないんだ。心の中に留めといてくれ』って。同時期に野際さんからも『病気のことは隠しといてね』と言われたのです』というくだりがあります。
野際さんも山本圭さんも、もちろん羽田さんも成功した一流の俳優さんたちです。『仕事に成功した人たちはこういうやせ我慢をしているんだなあ』と思いました。
すぐに『ケガをした、あそこが痛い』と、嫌なことから逃げ出す算段をしていた若いころの私は本当に『不熟につき』だったと思います。
さすがにこの歳になって、世の中を見、考えるようになって、痛いところはふえましたが、言い訳はしないようにしています。たいていの頼まれごとは引き受けるようにしています。
『心の拠り所』の続きですが、長崎の牧師さんのお母さんの話、牧師さんがきつい仕事に音を上げて愚痴を言ったとき、「つらいとか苦しいという言葉は神様にだけ言うのだ」と諭された話。私の周りの人たちはみんな優しくって、「つらいか、たいへんか、いいよ」という人たちが多くって、とまた言い訳をしてしまいそうです。きっと、苦言を呈してくれる人たちからは離れていって、自分の殻に閉じこもったのでしょうね。
だから、私の『心の拠り所』は、亡くなった両親だったり、祖父母だったり、甘やかしてくれた人たちばかりなのでしょう。
それでもこれを持っていると『やせ我慢』もできるのではないかと思います。