近頃のユーチューブ、『1979 Fausto Cigliano - 私だけの十字架』
この頃、私の『好きな歌リスト』に藤圭子さんが入って、ある晩遅くまでユーチューブサーフィンをしていたところ、突然この表題が出てきたのです。いかにも優しそうで気弱そうな40代の男性がギターを持って歌っている写真でした。すぐに気付きました。『この人があの歌を歌っていたんだ』と。まさに『やっと会えた』という感じです。
動画の下には、コメントがエンドレスのように続いていました。一番上にあったのはこれです。
『Wikipediaによると2022年2月17日、85歳で亡くなられたとのこと。素敵な歌声をありがとう。ご冥福をお祈り申し上げます。』
私は何年か後に気が付きましたが、クロード・チアリさんと間違えていたという方もたくさんいました。チアリさんはフランス人で、この方はイタリア人のカンツオーネ歌手だそうです。
読んでいくと、私がどこでこの歌を聞いたのかがわかってきました。私は長年、これは『火曜サスペンス劇場』のエンディング曲だと思っていたのですが、違ったようです。あのころ、1979年って、子育て真っ最中で、仕事もして、それでもテレビは見ていたのでしょう。内容はほとんど覚えていませんが、この歌だけはずっと心に残っていたのです。歌詞もうろ覚えで、何を歌っているのかも推察しかねていましたが、声と曲だけで感動していたというのが本当のところです。この歌を聞いて涙が出たという方がたくさんいました。
そんな私のためのように、歌詞を書きとって、情報をくれるコメントがありました。
『私だけの十字架
【ドラマ:特捜最前線エンディングテーマ】
歌 :ファースト・チリアーノ
作詞:尾中 美千絵
作曲:木下 忠 司
風が吹けば港に
船は帰りくるけど
若い愛をかわした
笑顔二度と見えない
あの人はあの人は
丘の白い十字架
星の揺れる港を
ふたり見てたあの日よ
肩に受けた口づけ
愛の形見消せない
あの人はあの人は
私だけの十字架
陽ざし揺れる港を
船ははなれてゆくけど
愛の祈り交わした
声は二度と聞けない
あの人はあの人は
風と語る十字架
風と語る十字架』
こんな情報もありました。『何より驚いたのは作曲した人が特捜最前線の中で流れる音楽はもちろん、水戸黄門の音楽や主題歌「ああ人生に涙あり」をも手掛けたあの木下忠司(ちゅうじ)だとわかったことかもしれない。』
『この曲は作曲は木下忠司さんですが、編曲は銀河鉄道999TV版音楽を手掛けた青木望さんでした。999の哀愁がこの曲にも反映されていて、素晴らしい曲になっています。』
この『風と語る十字架』っていい言葉ですね。情景がこれだけで分かります。
【ドラマ:特捜最前線エンディングテーマ】となっていますが、私は二谷英明さん主演のこのドラマ、全く覚えていません。覚えていたのはこの歌だけだったのです。
いま、フルバージョンで聞いてみると、人生を包み込むような声量と歌い方だと思います。これがカンツォーネというのでしょうか。
涙を流しながら聞いているというコメントがいくつもありましたが、中に、昔お母さんと一緒にこのドラマを見ていて、今は一人でこの曲を聴いていると涙が止まらないというのもありました。また、「この歌は他に誰もカバーできないだろう」というコメントもありました。
ファウスト・チリアーノで、今、ウキペディアを見てみましたが、俳優さんもやっていたみたいです。道理で、歌に心を入れるのがうまいと思っていました。亡くなるまで活動していたようです。
これからも私の歌リストに入れて頻繁に聞きます。