2016年12月10日土曜日

英国ミステリー噂話、19世紀のイギリス

 AXNのミステリードラマが面白くなくなったという話をしましたが、番宣をいくつか見ていると、19世紀のイギリスは貧しくて、食べられない人たちが、ロンドンへロンドンへと集まってきたようです。当然、ロンドンへ来ても食べられない。そこで犯罪が横行し、犯罪を取り締まる、刑事たちが募集されたということでした。
 それはディケンズが活躍した時代のようで、ディケンズは時代を取材するために、貧民街を歩き、取材し、そして、最初の刑事といわれるウイッチャーにも取材したということでした。(余談ですが、私の好きだった『ウイッチャーの事件簿』は四話で終わってしまったようですね。)
 代わりというわけでもないのでしょうが、このところ、ディケンズの作品がよく放映されています。ディケンズの作品のキャラクターを集めて登場させた『ディケンジアン』。そこに出てくるキャラクターたちが描かれた『オリバーツイスト』、『ブリ―クハウス』など。私は『ブリ―クハウス』を見たのですが、他のよりはいいという感じでした。
 暗いんです。それと人物が固定化されていて、おバカはおバカのような生き方をし、いい人はあくまでもいい人で、悪人は反省の色もなく悪人です。英文科でありながら、ディケンズを読んだこともない私がいうのもおこがましいのですが、あの時代、犯罪は蔓延し、題材には困らなかったようですので、当然そんな時代背景が出ているのでしょう。日本の戦後の時代に社会派小説を書いた松本清張氏に似ているような気がしました。題材に事欠かなかったのです。でも、時代が変われば、その時代の感覚は薄れてしまって、戦後生まれの私は社会派小説よりも、初期のころに書かれた『西郷札』のほうが好きです。
 今でも放映されているということで、古典化しているのでしょうが、現代人にはラムのシェークスピア物語のようなアレンジがほしいような気がします