2021年5月17日月曜日

 英国ミステリー噂話 道 フェリーニ

 『粗野な旅芸人ザンパノに、たった1万リラで売り飛ばされた娘ジェルソミーナ。町や村への巡業を続ける二人だが、自分勝手で女癖の悪いザンパノに嫌気がさしたジェルソミーナは彼の元を離れてしまう。祭礼の夜、綱渡り芸人イル・マットの華麗な演技に魅了されるジェルソミーナ。しかし、イル・マットはザンパノと因縁を持つ男だった……。巨匠フェリーニの出世作にして、数多くの映画賞に輝く永遠の名作。フェリーニ最愛の妻ジュリエッタ・マシーナとアンソニー・クインの観る者を惹きつける演技、そして決して忘れることのできないニーノ・ロータのメロディ。今、最新の修復技術による素晴らしい映像と音声で甦る。

 キャスト 出演:アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナ、リチャード・ベイスハート スタッフ 監督・脚本:フェデリコ・フェリーニ 脚本・台詞:トゥリオ・ピネッリ 撮影監督:オテッロ・マルテッリ 編集:レオ・カトッツォ 音楽:ニーノ・ロータ 製作:ディーノ・デ・ラウレンティス、カルロ・ポンティ』

 これ、イタリア映画でした。でも、アンソニー・クインって英国俳優じゃなかったでしたっけ。

 さらに、物語って、最後に行きつくまでは「どうなってしまうのだろう」とはらはらドキドキ、ミステリーです。

 ギャオで映画やドラマを見るようになってから、テレビのミステリーチャンネルで見ていた時よりずっと多くの作品を見られます。でも、なかなか『これぞ』と思う作品を引き当てるのは時間がかかります。で、こういう紹介文を見て、『これは』と思った作品を見始めるのですが、それでもなかなか当たりません。この作品の監督、フェリーニさんは、他にももう2作出ていたので、有名なんだなと思いましたが、他のはなかなか見る気が起きませんでした。

 「『道』(1954年)では甘美なテーマ曲と物語の叙情性とヒューマニズムから世界的なヒット作となり、二年連続のヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞、並びに第28回アカデミー賞でアカデミー外国語映画賞を受賞し、フェリーニの国際的な名声が確立する』とウキペディアに出ていましたが、まさにイタリア映画と思わせる作品でいた。

 この作品でヒロインを演じた、奥さまのジュリエッタ・マシーナさんは1921年生まれと書いてありましたから、この作品のときは33歳ころ、『知的障害のある若い娘』という設定にはちょっと老けているかなと思ってみていましたが、それなりに演じ切っていました。知的障害のあるとはあとでウキペディアを見て知ったのですが、どこかチャップリンに似た動きをしていたので、何かあるとは思っていました。

 私は、ちょっと悲しい感じがして、昔見た水上勉の「離れごぜおりん」を思い出してしまいました。障がい者つながりで。

 さて、アンソニー・クインさんですが、アメリカの俳優さんだそうです。言葉は当然吹替でしょうね。1915年生まれですから、この作品の時は39歳ころ、フェリーニさんはジュリエッタさんより一つ年上の34歳ころ、皆さん、まさに脂の乗り切ったころの作品ということですね。

 付け加えると、ニーノ・ロータさんは、フェリーニさんのほとんどの作品で音楽監督を務めているみたいです。

 最後に出てくるカルロ・ポンティってどこかで聞いたことのある名前だと思っていたのですが、例のソフィア・ローレンと何とか結婚した映画プロデューサーのカルロ・ポンティさんらしいです。もう一人のディーノ・デ・ラウレンティスさんも『業界最高峰の人物で、生きる神話の一人とも呼ばれた』そうです。まさにイタリア映画の黄金期ですね。いつか、他のも見てみようかと思います。