ふるさと文庫 250冊
いよいよ棚二列に並んだ『ふるさと文庫』の番です。前にも何度かお話ししましたように、お金のない時代に、夫が毎月、5、6冊、三、四千円払って、買い続けていたものでした。お金を払って、そのまま手近の本棚に並べてしまうのです。苦しい生活をしていた私はついに堪らなくなって、「もうダメ」と言いました。それが本棚に二段,今でも残っているのです。数年前、古本屋さんに来てもらって持って行ってもらったものの中にはそれらは入れられなかったのでしょう。何せ、読んでいないのですから。
きっとそういう人が多かったのでしょう、アマゾンの古本コーナーには大抵のものが出ています。皆さん読み切れずに,古本屋さんに渡してしまったものが多いのではないでしょうか。私の叔父は読んでいると、昔,言っていましたが。
だから、値段を調べるのは楽でした。家のは、ちょっと焼けがあってもほとんど未使用ですから、高めの値段設定になってしまいます。『こんなにたくさんあるのに、この値段では売れないだろうな』と思いながら入れて行くと、中には『あっ』と驚くような高い値段のついたものも出て来ます。それと、冊数が余り出ていないものはけっこう高いのです。ですから、アマゾンに出ていないものは、高い値段にしても良いのでしょうが、それは需要と供給の問題ですから、なかなかそうもできません。
そう言えば、最初の頃、まだ『ふるさと文庫』を集中して出していなかったときに、一、二冊出したものがありました。アマゾンに載っていなかったので、二倍の値段にして出しておいたのですが、早々に買って下さった方がいて、その本は同じものが二冊あったのですが、後で同じ方がもう一冊も欲しいと注文してくれました。
勿論『ダメ』と言いました。だって、最初の一冊を読んでいないということでしょう。どうしちゃったのでしょう。『せっかく未使用のいい方を送ったのに』と、腹を立てるのもお客様に対して失礼なのですが、行方が気になってしまいます。
それで、最初の方で入れた本の値段を見直して値上げをしました。そうしましたら、正月から二月初めにかけて、週に一冊の割で来ていた注文がぱたりと来なくなってしまいました。
いいんです。本当に欲しいと思って下さる方が来て下されば。月に一冊だって、年に一冊だって。
このあと、希少本の報告書の類いも入れて、いよいよ、80㎆になりました。